月給制を採用している事業場において、途中入社や途中退社、欠勤などがあった場合は、給与の日割り計算が必要です。

日割りの計算方法には、法的な決まりがあるのでしょうか? また、各種手当は日割り計算に含めるのでしょうか?

この記事では、給与の日割り計算について、基本的な計算方法から手当の取扱い、端数処理などをわかりやすく解説します。

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給与の日割り計算に法的な決まりはなし

給与の日割り計算については、法律上、具体的な計算方法が定められているわけではなく、会社ごとに計算方法を定めることができます。ただし、「賃金全額払いの原則」や最低賃金などに抵触しないよう、ルール化する必要があります。

また、計算方法は事業場内で統一する必要があり、つどつど計算方法を変えたり、担当者によって計算方法が異なっていたりという運用は認められません。

給与の日割り計算は主に3パターン

一般的には、以下の計算方法が多くの会社で採用・運用されています。

  • 歴日数で日割り
  • 所定労働日数で日割り
  • 月平均所定労働日数で日割り

歴日数で日割り

月給 ÷ 該当月の歴日数 × 出勤日数

月給を単純に暦日数で日割りする計算方法で、もっとも簡単であるため、ミスが起きにくい方法です。また、月の歴日数(28日~31日)によって、1日あたりの金額が変動するのも特徴です。

所定労働日数で日割り

月給 ÷ 該当月の所定労働日数 × 出勤日数

各月の所定労働日数で日割りする方法です。暦日の場合よりも1日あたりの金額が高くなり、また月ごとの変動幅も大きくなります。単価が高くなる分、従業員からは不満が出にくい方法と言えます。

月平均所定労働日数で日割り

月給 ÷ 月平均所定労働日数(年間所定労働日数 ÷ 12)× 出勤日数

その年度の月平均所定労働日数で日割りする方法です。月ごとに金額の変動が生じず一定となるため、最も公平感があると言えます。年度初めの年間所定労働日数が確定した段階で計算すれば、その後はつどつど計算しなくても済みます。

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給与の日割り計算に含める手当・含めない手当

手当を日割りに含めるかどうかも法的な決まりはないため、会社ごとに定めることが可能ですが、概ね以下の基準に従うのが無難です。

生活の負担を補う福利厚生的な意味合いの強い以下のような手当は、日割りにする合理的理由がないため、満額支給するのが一般的です。ただし、出勤が1日もない月については不支給としても差し支えないでしょう。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当

一方で、労務の提供を前提とした以下のような手当は、日割り計算に含めるのが一般的です。

  • 役職手当
  • 営業手当
  • 技能手当
  • 資格手当
  • 在宅勤務手当

給与の日割り計算で注意すべきポイント

給与計算のミスはトラブルを招きやすいので、特に注意が必要です。

計算方法は就業規則に明記する

どの計算方法を採用するにしても、具体的な計算式や手当の取扱いについては、就業規則や賃金規定に明記し、それらに従って運用する必要があります。従業員が不信感を抱かないよう、規定内容は周知し、理解を得ることが必要です。

矛盾が出るケースに注意

月平均所定労働日数を用いる場合は、出勤日数によって矛盾が生じる可能性があることに留意しましょう。

たとえば、欠勤日数分を給与から控除する運用において、月平均所定労働日数が21日で、実際の所定労働日数が22日の月に21日欠勤すると、1日出勤しているにもかかわらず、支給が0円となってしまいます。

また一方で、出勤日数分を支給する運用においては、月平均所定労働日数が21日で、実際の所定労働日数が20日の月に全日欠勤すると、1日も出勤していないにもかかわらず、1日分の給与が発生してしまい、やはり矛盾が生じます。

このようなケースに対応するため、欠勤日数が10日以内の場合は欠勤控除、10日を超える場合は出勤日数分の支給、といった運用にするのがおすすめです。

日割り計算の端数処理

日割り計算した金額に円未満の端数が生じた場合は、基本的に労働者に有利となるように処理します。つまり、欠勤控除する場合は円未満切り捨て、出勤分支給する場合は円未満切り上げとなります。

固定残業代の日割りについて

就業規則の欠勤控除に関する条項に、「1ヶ月分の支給総額より欠勤日数分を控除する」などの定めがあれば、固定残業代も日割りで控除して差し支えありません

ただし、支給する固定残業代を超える時間外労働が発生した場合には、別途時間外労働分の割増賃金を支払う必要があります。

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給与の日割り計算は、勤怠管理システムが安心

日割り計算の方法は企業側が自由に決められます。ただし、就業規則や賃金規定に明記した上で内容を従業員へ周知し、適切に運用しなければなりません。内容に沿わない運用をした場合、従業員とトラブルに発展する可能性が高くなります。

給与計算に関する労使トラブルは深刻化する可能性が高く、トラブルを未然に防ぐルール作りが重要です。勤怠管理システムを導入すれば、ルールに従った適切で労務管理を実現できます。また、給与計算システムと連携させることで、面倒な日割り計算も正確に行えます。

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