従業員が結婚する場合に、企業に申請するとお休みがもらえる結婚休暇。実際に取得したことがないと、「具体的にどんな制度内容なの?」「取得の条件が知りたい」など、わからないことが多いでしょう。
この記事では、結婚休暇に関する取得の期限や日数など、結婚休暇に関する基本をわかりやすく解説します。
勤怠管理システムでお困りのあなたへ
・今よりも良い勤怠管理システムがあるか知りたい
・どのシステムが自社に合っているか確認したい
・システムの比較検討を効率的に進めたい
勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。
結婚休暇とは
結婚休暇とは、従業員が結婚する際、結婚式の前後などに休むことができる休暇です。結婚式のためだけではなく、ハネムーンへ行く場合に長期休暇が取得できるなど、会社によって内容はさまざまです。
また、従業員本人の結婚だけでなく、家族が結婚の場合でも取得が可能であったり、慶事と弔事どちらでも取得できる『慶弔休暇』とまとめていたりする会社もあります。
法律で義務付けられた休暇ではない
結婚休暇は法律で義務付けられた法定休暇ではありません。
法定休暇とは、法律によって取得が義務付けられている休暇のことで、年次有給休暇が法定休暇の代表例です。その他に介護休暇や子の看護休暇、生理休暇も法定休暇ですが、年次有給休暇以外は有給である必要はありません。
一方で、特別休暇(法定外休暇)とは、法律で付与することが義務付けられていない休暇のことです。年末年始休暇やリフレッシュ休暇などが代表例であり、結婚休暇も特別休暇の中に含まれます。
そのため会社としては、結婚休暇の制度を設ける義務はありませんが、結婚休暇があることで従業員のモチベーション維持に繋がり、福利厚生が充実した企業として優秀な人材が集まりやすくなります。
結婚休暇の日数は何日?
結婚休暇の日数は、会社が自由に決めることができます。一般的には、本人が結婚する場合は5~7日間、従業員の子が結婚する場合は2日~3日程度が多いようです。
国家公務員の場合の結婚休暇は、結婚式の日か婚姻届を出した日のいずれか5日前~1ヶ月後までの期間に、5日間取得できます。
結婚休暇を取れる条件は?
結婚休暇を取れる条件は、会社が自由に決めることができます。一般的には、年次有給休暇と同様に、入社半年後から取得できる企業が多いです。
取得の起算点を「挙式日」にするか「入籍日」にするか、あるいはどちらでも認めるかということも、任意に定めることができます。
なお、雇用形態によって取得の可否を分けるには注意が必要です。2021年4月から「パートタイム・有期雇用労働法(旧・パートタイム労働法)」が中小企業にも適用されており、以下の措置を講じることが義務付けられました。
- 「同一労働同一賃金」に基づき、同一職務内容の正社員と非正社員(パートタイム従業員や有期雇用労働者)の不合理な待遇差を解消すること
- 非正社員から、正社員と非正社員の待遇の違いや待遇差の理由を聞かれた時は、就業規則などを活用して説明すること
この「待遇差」には、単に賃金のみにとどまらず、休暇などの福利厚生も含まれます。よって、基本的には正社員と同一職務内容の非正規社員を、結婚休暇の対象から除外することは認められません。
かりに対象外とするのであれば、合理的な理由が必要であり、かつその理由を非正規社員から聞かれた場合には、説明する義務があります。
公務員の結婚休暇は?
公務員の結婚休暇は、人事院規則や各自治体の条例に規定されている「法定休暇」となります。
国家公務員の場合、挙式日もしくは入籍日の5日前~1ヶ月後までの期間に、5日間の結婚休暇を取得できます。この結婚休暇は有給であり、5日間連続の取得が原則で、分割取得は認められていません。
地方公務員の場合は、各自治体の条例によって内容は異なりますが、国家公務員の結婚休暇に準じるケースが多いようです。
勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい
勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。
結婚休暇を導入する手順
結婚休暇は本人や家族にとって大切な行事であり、頻繁に取得を希望する社員が出てくるようなものではありません。そのため、会社の負担も少なく導入できる福利厚生です。
結婚休暇の制度を設けていることで、会社のイメージもアップし、ホワイト企業だと評判が広がれば良い人材の確保にも繋がるので、導入を検討してみても良いでしょう。ここでは、結婚休暇を導入するにあたって、決めておくべき事項を紹介します。
有給か無給か決める
まず結婚休暇が有給か無給かを決める必要があります。法の規定がないため、基本的には無給でも問題はありません。なお、無給とする場合でも、結婚祝い金として一時金を支給するのが一般的です。
また、結婚式に参列するためだけの休暇であれば、1日単位で有給休暇が使えるので、結婚休暇は無給の休暇であっても、あまり大きな不満には繋がらないでしょう。
取得できる日数を決める
次に、取得できる日数を決めます。一般的には従業員本人の場合は5日~1週間、従業員の子の場合は2~3日が大体の相場です。
与える日数が1日だけだと、通常の年次有給休暇との違いがなく、社員としては給料が出る年次有給休暇の方がいいので、結婚休暇の制度を設けた意味がありません。
葬儀や、病気、事故などで急遽休まざるをえなくなった場合と違って、結婚式の日などはかなり前から決まっており、通常の年次有給休暇の制度でも充分対応できます。
また、新婚旅行で海外を考えている人も多いため、結婚休暇の制度を設ける時は、本人の結婚の場合は1週間程度にしておくと喜ばれるでしょう。
取得できる期限を決める
次に取得できる期限を、3ヶ月・6ヶ月などと決めます。結婚休暇の取得タイミングとして考えられるのは、入籍日、挙式日、新婚旅行などです。
また、挙式日と新婚旅行が何ヶ月も離れる場合も想定されます。そのため、結婚休暇を取得できる期限を「入籍から1年以内」「挙式から6ヶ月以内」などと、定めておくことが望ましいでしょう。
長期にわたって申請・取得を可能とする場合は、日程を分ける分割取得ができるのかも、決めておくと対応できます。
就業規則に反映させる
結婚休暇に限らず、特別休暇制度を導入する際は、就業規則への記載が必要です。結婚休暇は法律で定められている法定休暇では無いので、運用のルールは会社が自由に決めることができます。
結婚休暇に関する規定を決めたら、就業規則へ記載。会社によっては繁忙期の時期があり、特定の月だけ極端に忙しい場合もあるでしょう。
そのような場合、「年度末3月は取得できない」などと明記しておくか、「取得できるかどうかは状況を見て上司が◎ヶ月前までに判断する」などと記載することもできます。
勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい
勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。
結婚休暇が取れない!トラブル回避
結婚休暇に関してのトラブルは、次のようなケースが考えられます。
- 結婚予定が繁忙期だから結婚休暇が取れない
- 入籍して1年後に新婚旅行を計画して却下
- 結婚休暇と年次有給休暇を併用して海外挙式をするつもりが却下
- 入社3ヶ月目に結婚したが、適用外となった
従業員は、福利厚生に関して就業規則を細かく把握しておらず、上記のようなトラブルに発展するケースがあります。
会社側は、運用ルールを定めるだけでなく、定期的に就業規則の説明会を開催するなど、従業員への周知に努めましょう。
挙式なしでも取得できる?
最近では、結婚式を挙げない人も増えているので、結婚休暇は本人たちが申請すれば、挙式なしでも取得ができる企業が多いです。
しかし、家族の結婚で結婚式を挙げない場合は、取得が認められないことが多いです。家族の結婚で、挙式なしでも新生活の準備や食事会など、お休みが欲しい場合は、年次有給休暇の取得を検討しましょう。
コロナ終息まで延期する企業も
コロナウイルスの蔓延で、結婚式が延期になっている人も多いです。
結婚式には、両親や祖父母なども集まり、感染リスクの高い高齢者の方々が集まりやすい場で、コロナの終息が見えるまでは、結婚式を延期する人も多くいます。
そのため結婚式をあげられない人に対しては、結婚休暇も取得も延期している企業があります。社員にとっても結婚式自体が延期になっているので、結婚休暇が延期になっているのはありがたいことかもしれません。
しかし結婚休暇は、もともと期限があることや、入籍日を起算日としていると、取得できなくなってしまうこともあります。
どうしても予定を合わせた日に、何かしたい場合は、結婚休暇ではなく有給休暇を取得するようにしましょう。年次有給休暇は2年経つと権利が失効してしまうので、有給の消化状況も確認することをおすすめします。
勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい
勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。
従業員の方向け:結婚休暇の取得計画は早めに
ここでは、従業員の方向けに、実際に結婚休暇を取得する場合には、どのようなことに気をつければ良いのかを見ていきます。
結婚休暇は本人の結婚の場合、1週間以上休むこともあり、通常の公休と繋げて2週間近く休んで結婚式と新婚旅行へ行くこともあります。その間の仕事は、誰かが代わりにやることになるので、早めに日程を決めて会社に報告するようにしましょう。
必要な申請や引き継ぎを
結婚式の日等が決まったら、早速上司に報告の上、就業規則に則って必要な申請をしていきましょう。
職種によっては結婚休暇で休んでいる間、誰かが引き継ぐこともあります。業務を代わってくれる方が困らないように、必要なマニュアルや状況報告をしっかり行なってから、結婚休暇へ入りましょう。
結婚はおめでたいことなので、結婚のために休暇を取ることは多くの人は理解を示してくれるでしょう。
しかし引き継ぎをしっかりしておらず、休んでいる間に何か迷惑がかかってしまったらその後の人間関係が少し乱れてしまいます。そうならないためにも、引き継ぎや報告は早めにしっかりとやっておきましょう。
結婚休暇明けはまず挨拶を
結婚休暇明けには挨拶をしっかりしておきましょう。人生の節目の大事な日で、多くの人は理解を示してくれるとはいえ、会社を長期間休む期間、誰かが仕事をフォローしてくれていたことには違いありません。
葬儀等と違ってかなり前に報告してあるので、大きな迷惑はかかっていないかもしれませんが、仕事を代わってくれたお礼をしっかり伝えることで印象は大きく変わります。
挨拶をしっかりすればその後の人間関係にも好影響があるかもしれませんし、結婚休暇明けは感謝の気持ちやお礼の言葉をしっかり伝えるようにしておきましょう。
結婚休暇の勤怠管理はシステム化で対応
結婚休暇は、結婚式の出席のために1日だけ休む場合もあれば、5日~1週間程度休んで新婚旅行へ出かける場合もあります。働いていると、1週間以上の連休はなかなか取れないので、従業員とその家族に喜ばれるでしょう。
また、企業にとっても頻繁に取得される休暇ではないので、結婚休暇制度を設けておいてもあまり負担はありません。とは言え、勤怠管理システムを活用することで、さまざまな特別休暇の設定や取得状況の管理が一括で行えるため、さらに勤怠管理が楽になります。
「勤怠管理システムの選定・比較ナビ」をご利用いただくと、結婚休暇の管理にも対応できる勤怠管理システムの中から、自社に最もマッチングするシステムを探し出せます。
勤怠管理システムでお困りのあなたへ
・今よりも良い勤怠管理システムがあるか知りたい
・どのシステムが自社に合っているか確認したい
・システムの比較検討を効率的に進めたい
勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。