リフレッシュ休暇とはどのような休暇なのか、目的は何かなど、リフレッシュ休暇を設けることによる企業や従業員のメリットとデメリットをご紹介します。また、有給休暇などの違いもあわせてわかりやすく解説します。
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リフレッシュ休暇とは
リフレッシュ休暇は、法律では特に定められておらず、企業が独自に日数などを決めることができます。取得条件として一般的なのは、同一企業へ長年勤務した社員への永年勤続表彰として、与えることが多いようです。
リフレッシュ休暇は企業が任意で定める休暇制度
リフレッシュ休暇は、企業が任意で与える休暇制度です。そのため、必ず取得させなければならない義務はありません。
このように、企業が任意で設ける休暇制度を、特別休暇(法定外休暇)といいます。一方で、法的に取得が義務付けられている休暇制度を、法定休暇といいます。
法定休暇として一般的に知られているのは、年次有給休暇です。その他には、介護休暇や子の看護休暇、生理休暇なども法定休暇です。これらの法定休暇は、取得条件を満たした社員が取得を希望した場合、企業は必ず付与する義務があります。
ただし、年次有給休暇以外は有給である必要はなく、無給とすることも可能です。特別休暇として多くの企業によくあるものは、夏季休暇や年末年始休暇などです。特別休暇を新たな休暇制度として設けるときには、就業規則への記載が必要となります。
有給休暇とリフレッシュ休暇の違い
法定休暇である年次有給休暇と、特別休暇であるリフレッシュ休暇は、付与要件や日数など多くの面で違いがあります。
年次有給休暇は、賃金を保障しながら所定労働日の労働が免除される休暇です。入社から継続して6ヶ月勤務し、全労働日の8割以上出勤した従業員に対して、勤続年数や所定労働日数に応じた日数分付与されます。会社は従業員に対して、年次有給休暇のうち年5日分は必ず取得させる義務があります。
対してリフレッシュ休暇は、付与要件や日数、有給とするか無給とするかなど、会社側で任意に定めることができます。一般的には、ある程度勤続年数の長い従業員に対して、一定の日数分が付与されるという形式が多く、この点において年次有給休暇と似ていると言えます。
また、厚生労働省の調査によると、リフレッシュ休暇がある企業の中で、96%が休暇中の給料を支払うものとしています。
リフレッシュ休暇の過ごし方
リフレッシュ休暇の過ごし方は、従業員個人の自由ではありますが、主に以下のように利用されているようです。
- 国内、海外旅行をする
- 短期留学をする
- 実家に帰省する
- 近郊へお出かけする
- 部屋の片付けをする
- 資格取得の勉強をする
ゴールデンウィークやお盆などの時期を避ければ、比較的空いている時期にお得な料金で旅行を楽しむこともできます。普段、なかなか行くことが難しい場所へ行くことで、普段味わうことができない新鮮な感覚で気分をリフレッシュできるでしょう。
また、せっかくのお休みを利用して、語学や資格の勉強をする人や、大がかりな片付けをする人など、人それぞれ過ごし方は多様なパターンがあるようです。
公務員にもリフレッシュ休暇はある?
公務員にも、民間企業のように、夏季休暇や年末年始休暇を始めとした、さまざまな特別休暇があります。
公務員のリフレッシュ休暇は、所属する自治体によって異なります。勤続10年以上で5日間程度のリフレッシュ休暇が付与される自治体もあれば、リフレッシュ休暇自体が廃止された自治体もあります。
公務員は民間企業と比較すると、もともと年間休日が多い傾向にあるので、既存の各種休暇をしっかり活用し、リフレッシュ休暇は設けない方針の自治体もあるので、所属先の確認が必要です。
パートでもリフレッシュ休暇はある?
リフレッシュ休暇をパートタイムの従業員に取得させるかどうかは、会社の自由と言えなくもありません。
ただし、2021年4月から「パートタイム・有期雇用労働法(旧・パートタイム労働法)」が中小企業にも適用されており、以下の措置を講じることが義務付けられました。
- 「同一労働同一賃金」に基づき、同一職務内容の正社員と非正社員(パートタイム従業員や有期雇用労働者)の不合理な待遇差を解消すること
- 非正社員から、正社員と非正社員の待遇の違いや待遇差の理由を聞かれた時は、就業規則などを活用して説明すること
この「待遇差」には、単に賃金のみにとどまらず、休暇などの福利厚生も含まれます。よって、基本的には正社員と同一職務内容のパートタイム従業員を、リフレッシュ休暇の対象外とすることは認められません。
また、かりに対象外とするのであれば、合理的な理由が必要であり、かつその理由を非正規社員より聞かれた場合は、就業規則等を用いて説明しなくてはなりません。
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リフレッシュ休暇の条件と日数
リフレッシュ休暇の条件と日数は、どのようなものが一般的なのでしょうか。リフレッシュ休暇はそもそも法律で規定がないので、企業が自由に決めることができます。そのため、「1日」「1週間」「1ヶ月」など、企業の裁量で与えることができます。
取得するための条件
リフレッシュ休暇は、長年勤めてくれた従業員への感謝やご褒美として付与されることが一般的なので、「勤続5年で3日、勤続10年で5日」などと勤続年数に応じて定めている企業が多いようです。
有給休暇の取得は、会社側は制限できませんが、リフレッシュ休暇の日数は会社側の判断で制限することができます。
そのため、長く休まれては困る場合は、有給休暇と合わせてリフレッシュ休暇を取得する場合の、リフレッシュ休暇の取得日数の上限を就業規則で決めることができます。例えば「リフレッシュ休暇と有給休暇を同時に取得できるかどうかは上長が判断する」と就業規則に書いておけば、会社の状況に応じて、調整することができます。
取得できる日数
リフレッシュ休暇を取得できる日数は、日数に制限はないため、企業の判断で独自に決めることができます。
ひとつの例ですが、勤続3年・5年・10年などの節目に、3日〜10日間程度のまとまったリフレッシュ休暇の権利を与える企業が多いようです。勤続年数が長くなるほど、付与日数を増やすと長く働くモチベーションにもつながるでしょう。
企業によっては、一括取得だけでなく分割取得も認めているケースも。まとめて連休にして海外旅行を楽しみたい人もいれば、長期間休むことで仕事が溜まるのが嫌で分割して休みたい人など、さまざまな人に対応できて喜ばれるでしょう。
また、状況により分割取得もできるようにしておくと、会社としても部署の状況に合わせられるため、メリットは大きいと考えられます。
リフレッシュ休暇がある企業の調査
リフレッシュ休暇がある企業は、厚生労働省の調査によると、従業員数1000人以上の大企業で約43%でした。リフレッシュ休暇がある企業の割合は、従業員数が少なくなるほどに減少傾向。従業員数99人以下の中小企業では、わずか8.6%にとどまっています。
また、何かしらの特別休暇がある企業の割合は、全体の58.9%。そのうち1000人以上の大企業だと特別休暇制度がある企業は全体の76.4%でしたが100人以下の中小企業だと特別休暇制度がある企業は全体の55.5%でした。
このようにリフレッシュ休暇は大企業ほど設けていることが多いです。夏季休暇や病気休暇に比較すると、リフレッシュ休暇はまだまだ浸透していないことが分かります。
これは、経営状況の余裕もあるのでしょうが、それ以上に特別休暇を与えることで発生する業務の穴を埋めることのできる人員がたくさんいることも大きな理由でしょう。
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リフレッシュ休暇のメリット
リフレッシュ休暇にはどのようなメリットがあるのでしょうか。企業側のメリットと従業員側のメリット両方を考察します。
企業側のメリット
まずリフレッシュ休暇を取得させる企業側のメリットから確認しましょう。それは、予算をかけることなく、従業員へ福利厚生を提供できる点です。
例えば、企業が独自に行っている福利厚生としては、企業年金や出産祝い金などがあります。これらは、企業がお金を負担して提供する福利厚生です。
しかし、リフレッシュ休暇は、無給扱いでも問題ないので、休ませるだけで社員へ福利厚生を提供できます。リフレッシュ休暇は、永年勤続表彰の意味合いで与えることが多く、社員へ記念品を贈るなどの取り組みをしていた企業が、休暇を与える方針へ変更するケースも増えています。
さらに、長期のお休みを与えることで、心身ともにリフレッシュして仕事へ集中でき、従業員のパフォーマンスが上がることも期待できます。社員の健康の維持に対しても有効で、従業員の過労による不調などを未然に防ぐことにもつながるかもしれません。
勤続10年、20年などの節目のご褒美として、リフレッシュ休暇があるから長く勤めて頑張ろうとモチベーションのひとつにもなるしょう。
従業員側のメリット
従業員側のメリットは、会社に籍を置きながら、長期の旅行など普段できない過ごし方ができる点です。長期の旅行をしようと思うと、年末年始休暇や夏季休暇などの時期にしかできませんでした。
みんなが休んでいる時期はどこも混雑していますが、リフレッシュ休暇を利用すれば、オフシーズンを狙って長期でバカンスを楽しむこともできるでしょう。
さらに、通常ではなかなか取れない長い休みがあることで、社会人になって諦めていた場所へ行くことや、できなかった体験に挑戦することも、実現できるかもしれません。
リフレッシュ休暇時は、毎年訪れるGW休暇や年末年始休暇とは異なる、特別な条件で付与されることが多い休暇です。リフレッシュ休暇を取得する人も、「普段のお休みとは違う過ごし方をしよう」という気持ちになり、張り合いが生まれるのではないでしょうか。
長い間、正社員として毎日働いてきた人にとっては、一定期間、仕事を離れることで、新しいアイデアを思いついたり、自分自身や仕事について見つめ直したり、心身ともにリフレッシュできるメリットが期待できます。
リフレッシュ休暇のデメリット
リフレッシュ休暇のデメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。企業側のデメリットと従業員側のデメリット両方を考察します。
企業側のデメリット
企業側のデメリットとしては、リフレッシュ休暇中に人手不足になってしまう点です。
リフレッシュ休暇は、1週間など長期で取得できる企業も多いです。その間、会社は通常営業しているため、休む人の業務は誰かがフォローすることになります。ギリギリの人数で運営している職場の場合、残された従業員の負担が大きくなってしまう場合があります。
このように、リフレッシュ休暇を取得している間のフォロー体制について、事前にしっかり考えておくことが大切。同時に複数人が休暇を取得して、業務が回らなくなってしまうといけないので、取得のルールはあらかじめ整えておくことをおすすめします。
その他、部署ごとの取得率の集計や、取得を促すための工数など、管理業務が増えることも考えられます。
従業員側のデメリット
従業員側のデメリットは、部署の雰囲気や業務の状況によって取得できないと、リフレッシュ休暇を取得できる人とできない人の間で不公平感が生じる点です。
また、誰かが休むことによって、その仕事を引き継ぐ必要があり、同僚に負担をかける可能性や、引き継ぐためのマニュアル整備など準備が大変になるデメリットが考えられます。
会社が通常営業している時期に、長期の休暇を取得する場合は、職場の協力が欠かせません。リフレッシュ休暇を取得する本人も、職場の同僚から理解が得られるように、早めに取得希望時期を伝えて調整しておくなど、思いやりを持って進めることが大切です。
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リフレッシュ休暇を導入する際のポイント
リフレッシュ休暇を導入する際は、無理のない運用で取得率を向上させるために、大切なポイントがあります。
- リフレッシュ休暇の取得条件を設定/勤続◎年で◎日付与などの付与基準を就業規則へ反映
- 社内の取得意識を向上/経営陣や管理職も積極的に取得することで、メンバー層も取得しやすい風土を作る
- 休暇取得を計画的に進める/期初にリフレッシュ休暇の時期をヒアリングしたり、申請期限3ヶ月前とするなど
- 柔軟な運用を心がける/不測の事態で取得できなかった場合の再申請、取得期間が迫っている社員への人事からアラートなど
就業規則の変更は必要?
リフレッシュ休暇の内容は就業規則へ記載が必要です。初めてリフレッシュ休暇を導入する際は、新たに就業規則へ項目を設けて記載しましょう。
また、企業規模が大きくなり、社員数が増え、リフレッシュ休暇の日数や取得条件を変更する場合は、就業規則の変更を忘れずに実施してください。
これまでリフレッシュ休暇があった会社が、経営方針の変更によりリフレッシュ休暇を廃止する場合には、就業規則からリフレッシュ休暇を削除する必要があります。
就業規則の変更には、労働組合の同意や労働者の意見聴取が必要ですので、ルールを確認して変更しましょう。
勤怠管理システムでリフレッシュ休暇の管理が楽になる
本記事では、リフレッシュ休暇について、ご紹介しました。リフレッシュ休暇は、短ければ1日〜でも付与することができ、予算や大掛かりな準備をしなくても導入しやすい福利厚生のひとつです。
離職率が高まる中、ひとつの会社でコツコツ長く勤めてくれる従業員への、特別なご褒美としてリフレッシュ休暇を付与する意義は、大きいのではないでしょうか。社員満足度の向上も期待でき、企業としても従業員が定着して長く活躍する一助になるかもしれません。
リフレッシュ休暇の導入に際しては、同時に勤怠管理システムを活用することで、取得率の集計や有給・無給の別に応じた給与計算等が格段に楽になります。
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