特殊勤務手当は、危険な場所や過酷な環境下で作業を行う公務員に支給される手当です。この記事では、特殊勤務手当の種類や大凡の金額、民間企業には導入できるのか、などについてわかりやすく解説します。

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特殊勤務手当とは?

特殊勤務手当は、危険な場所や過酷な環境下など、心身への負担が大きい作業に従事する公務員に支給される手当です。国家公務員の場合は給与法及び人事院規則、地方公務員の場合は各自治体の条例に基づいて支給されます。

特殊勤務とは

人事院が定める、特殊勤務手当の対象となる業務は以下のとおりです。なお、複数の特殊業務に従事する場合でも、支給される特殊勤務手当は1種類のみとされています。

特殊勤務手当の種類具体的な作業内容例
高所作業手当地上又は水面上10メートル以上での作業
坑内作業手当トンネルやダムにおける掘削・整備作業
爆発物取扱等作業手当爆発物や有害物質の鑑定・処理
水上等作業手当船舶での救急救命処置、大型蓄電池・灯具の交換作業
航空手当航空機の操縦や検査、訓練
死刑執行手当死刑執行の作業や補助
死体処理手当死体の収容や検視
防疫等作業手当感染症患者の検査や部屋の消毒作業
有害物取扱手当有害性ガスなどを用いる輸出入品に対する殺虫処理
放射線取扱手当放射線技師のエックス線の照射による検査
異常圧力内作業手当潜水器具を着用した潜水作業
狭あい箇所内等検査作業手当ボイラー内部での検査朝業
道路上作業手当道路の補修、除雪作業
災害応急作業等手当災害時の巡回監視や応急作業
山上等作業手当山上の無線中継所における保守作業、国有林での伐採
移動通信等作業手当避難救助における通信施設の設置、通信機器による連絡作業
航空管制手当航空交通の管理管制業務
夜間特殊業務手当深夜に実施する、出入国審査や道路修繕作業
夜間看護等手当深夜に実施する、救急医療対応
用地交渉等手当公共事業用地の取得と交渉
鑑識作業手当指紋や写真の鑑識による犯罪捜査
刑務作業監督等手当刑務所における刑務作業の監督、週用品の監督
護衛等手当皇族の護衛
犯則取締等手当法令違反の疑いのある人の居宅の調査、取り調べ
極地観測等手当南極地域観測に関する業務
国際緊急援助等手当国外での災害救助活動
小笠原業務手当小笠原諸島における業務
特殊勤務一覧

特殊勤務手当の額

作業の種類や自治体の条例によっても異なりますが、該当作業に従事した日に対して日額で計算されるのが一般的です。たとえば、「高所作業」の場合は、日額220円(地上または水上20メートル以上の場合は320円)とされています。

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特殊勤務手当は民間企業でも導入可能?

民間企業においても、心身への負担が大きいと判断される業務に対して特殊勤務手当を支給することは可能です。特殊作業に該当する業務に従事するからといって、特殊勤務手当の支給が義務付けられているわけではないため、支給の有無や支給額は会社が任意に定められます

民間企業における特殊勤務手当の例

以下で、民間企業における特殊勤務手当の代表的な導入例を紹介します。

医師・看護師の場合

患者の生命に直接関わるため、多くの施設において特殊勤務手当が支給されています。支給対象としては、分娩作業や夜間・休日の緊急対応などが挙げられます。

支給額は病院や施設によって異なりますが、月10,000円~25,000円が一般的な相場とされています。

教職員の場合

私立校においても、同地域の公立校の例にならって特殊勤務手当が支給されることがあります。支給対象としては、非常時の対応や修学旅行の引率などが挙げられます。

除染作業員

東日本大震災で被災した東京電力福島第一原子力発電所における、放射能の除染作業などにも特殊勤務手当が支給されています。除染作業だけでなく、施設内の測量や調査、現場監督などに対しても、環境省の定める基準に応じて支給されます。

特殊勤務手当は残業代に含める?

特殊勤務手当を日額で支給しており、時間外労働が発生した場合は、日額を1日の所定労働時間で除した金額を単価として、通常の時間外割増賃金と同じ割増率を乗じた額を支給します。

たとえば、1日の所定労働時間が8時間の事業場において、日額1,600円の特殊勤務手当を支給している場合、1時間の時間外労働が発生すれば「1,600 ÷ 8 × 1」の200円に割増率25%以上を加算した金額を、通常の時間外割増賃金とは別に支払います。

また、特殊勤務手当が月額固定の金額で支給されている場合は、月額を当月の所定労働時間(または月平均所定労働時間)で除した金額を単価として、割増賃金を算出します。

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特殊勤務手当の支給で、モチベーションアップを

特殊勤務手当は公務員だけでなく、民間企業でも導入できる手当です。特殊勤務手当の支給によって、モチベーションアップやエンゲージメント向上が望めます。意欲向上によって就業時間中の集中力が高まり、ケアレスミスや業務事故の削減が望めます。

看護師・医師・除雪作業員など、心身に多大な負担がかかる作業を命じる多い場合、モチベ特殊勤務手当を導入するのも有効な選択肢です。支給額や要件は人事院規則を参考にしながら、自由に定められます。

手当を含んだ残業代の計算や作業の有無によって時給が変わる給与形態を導入している場合、計算ミスが起こる可能性が高まります。支給漏れを防ぐためにも、勤怠管理システムの導入が有効です。

勤怠管理システムは、出退勤時刻・労働時間・時間外労働など、従業員の勤怠データを自動で集計するシステムです。給与計算システムとも連携できるため、残業代や複雑な手当の計算など、煩雑な計算業務を自動化できます。

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