基準内賃金とは？基本給との違いや対象となる手当をわかりやすく解説

労務管理や賃金計算において、基準内賃金は重要な要素となりますが、その具体的な定義や各種手当などとの関係について正確に理解している方は、少なくないのではないでしょうか。

この記事では、基準内賃金の定義から基本給との違い、基準内賃金に含まれる手当・含まれない手当、基本的な計算方法などをわかりやすく解説します。

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

基準内賃金とは？

基準内賃金は、従業員が毎月一定の労働時間を行った場合に支払われる固定的な賃金のことです。一般的には、基本給や役職手当、職能手当などが含まれます。

基準内賃金と基準外賃金との違い

基準内賃金も基準外賃金も、法律で定義されている言葉ではありません。一般的には、基準内賃金は残業代の計算に含める固定的な賃金を指し、基本給や固定的な手当などが該当します。

一方で基準外賃金は、残業代の計算に含めない変動的な賃金を指し、月ごとに発生する残業手当や休日出勤手当、通勤手当などが該当します。

基準内賃金と基本給との違い

基準内賃金の中に基本給も含まれ、基本給に固定手当などを加えたものが基準内賃金となります。例えば、基本給20万円に加え、住宅手当2万円を受け取る場合、これらはすべて基準内賃金に含まれます。

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

基準内賃金と各種手当

基準内賃金には、通常の労働時間に対して支払われる基本給や固定手当が含まれます。具体的にどういった手当が基準内賃金に含まれるのかについては、労働の対価として支払われる手当は含め、従業員個人の属性などによって支払われる手当は含めない、と理解しておきましょう。

基準内賃金に含める手当

基準内賃金に含める手当は、従業員の通常の労働に対する対価として、あるいは労働の提供を前提として支払われるもので、基本給と一体不可分な性格を持つものが一般的です。具体的には、以下のような手当が該当します。

• 資格手当
• 職能手当
• 営業手当
• 役職手当

基準内賃金に含めない手当

基準内賃金に含まれない手当は、従業員の個人的な事情や企業の福利厚生に基づいて支払われるもので、労働の対価とは直接的な関係がないものが一般的です。具体的には以下のような手当が該当します。

• 通勤手当
• 住宅手当
• 家族手当
• 別居手当
• 慶弔見舞金など

基準内賃金の計算方法

基準内賃金の計算方法は、企業の就業規則や賃金規程によって異なりますが、一般的には、基本給に上記で解説した諸手当を加算することで算出されます。

残業代を計算する場合は、この基準内賃金を月平均所定労働時間で割って、時間単価を算出することになります。

月平均所定労働時間とは

月平均所定労働時間は、月あたりの平均所定労働時間のことで、以下の式により算出します。

（1年の暦日数 – 年間休日）× 1日の所定労働時間 ÷ 12

なぜ月平均所定労働時間が使われるのかと言うと、かりにその月ごとの所定労働時間で残業代を計算した場合、暦日数によって時間単価が変動してしまうためです。たとえば、暦日数31日の月は、通常28日の月より労働時間数が多くなるため、同じ基本給で計算すると時間単価が低く算出されてしまいます。

そこで、年間の所定労働時間から月当たりの平均所定労働時間を算出することで、毎月同じ時間単価で残業代が計算できるようにしたのが、「月平均所定労働時間」というわけです。

基準内賃金についてよくある質問

基準内賃金について、よく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。

まとめ

基準内賃金は、基本給や固定手当から構成され、残業代計算の基礎となる要素です。特に、手当については、どの手当が基準内賃金に含まれるのかを理解しておく必要があります。

こうした基準内賃金や残業代、手当の正確な管理を行うためには、適切な勤怠管理システムの導入が効果的です。「勤怠管理システムの選定・比較ナビ」をご利用いただくと、自社の社内規程運用に必要な要件を満たしている勤怠管理システムの中から、自社に最もマッチングするシステムを探し出せます。