• 給与デジタル払いはデメリットが大きいって言うけど実際どうなの?
  • 会社は。給与のデジタル払いにどう対応すべき?

2023年4月から解禁される給与のデジタル払いについて、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。まだ確定的な情報が少なく、事業主の方は対応に頭を悩ませていることと思われます。

この記事では、給与デジタル払いのメリット・デメリットから、実際に会社としてどのような準備をすべきかについて、わかりやすく解説します。

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給与のデジタル払いとは

給与のデジタル払いとは、給与を従業員の銀行口座ではなく、資金移動業者サービス(「PayPay」や「d払い」など)の口座へ入金することを言います。

現行制度では、賃金は現金払いが原則であり、労働者の同意がある場合に限り銀行口座への振込も認められています。

(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

労働基準法第24条1項|法令検索e-Gov

デジタル払いは、この「通過払いの原則」の例外の範囲を拡大するものです。なお、デジタル払いされた給与は、1円単位で現金化できることが必要で、現金化できないポイントや仮想通貨での支払いは認められません。

給与のデジタル払い解禁の背景

給与のデジタル払いは、銀行口座開設へのハードルが高い外国人労働者の受け入れ拡充に向けた施策の一環として、導入が議論されてきました。

また、普及率30%台(欧米諸国は50~60%)と世界的に立ち遅れているキャッシュレス決済の推進および、フィンテックを活用した金融サービス提供の拡大により、国際競争力を強化する狙いもあります。

厚生労働省が2021年に実施した調査では、約4割の利用者がデジタル払いを「検討する」と回答し、一定のニーズがあると判断されたことで、正式に解禁が決まりました。

給与のデジタル払いはいつから?

制度の解禁は2023年4月からです。ただし、解禁後すぐにデジタル払いが利用できるわけではなく、まずは算入を希望する資金移動業者の認可申請受付が開始されます。

この審査には数ヶ月要するとされており、実際に利用開始できるのは、早く見積もっても2023年夏以降と見られています

なお、デジタル払いを利用するには、あらかじめ労使協定を締結した上で、個々の労働者の同意を得ることが必要です。資金移動業者の決定時期を見据えて、手続きの準備を進めておきましょう。

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給与デジタル払いのメリット

給与デジタル払いを導入するメリットとしては、外国人労働者を雇用しやすくなる点が挙げられます。従来、外国人労働者は銀行口座の開設が難しく、我が国に就労する際の大きな障壁となっていました。

給与がデジタル払いで支給できるようになると、この問題が解消され、利便性が高まることで外国人労働者を雇用がしやすくなります。

また、デジタルマネー口座は、送金手数料が無料または銀行に比べて安いため、手数料コストを削減できる点もメリットです。日払いなどの突発的な支払いなど、従業員のニーズに柔軟に対応できるため、先進的な企業としてアピールできます。

給与デジタル払いのデメリット

デメリットとして懸念されているのは、デジタル払いできる金額に上限がある点です。具体的には、支払先の口座の残高上限が100万円までとされており、これを超える額につき、資金移動業者は当日中に別の口座に送金しなければなりません。

そのため、支払金額や口座残高が多い場合、会社側は銀行振込とデジタル払いに分けて支払うという二重運用を強いられることになり、経理部門の負担が増大します。

また、セキュリティ面の不安や資金移動業者の破綻リスクも懸念されています。さらに、給与データと従業員アカウントの紐づけ、システム改修など、運用コストがかかる点もデメリットとして挙げられています。

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給与のデジタル払いに向けて、会社は何を準備すべき?

給与のデジタル払いを制度として導入する場合に、会社側が注意すべきポイントや準備が必要な点について解説します。

社内ニーズを把握する

デジタル払い制度が解禁されたとしても、すべての会社が必ず導入しなければならないわけではありません。そのため、社内アンケートや社員集会等で従業員のニーズを確認しておきましょう。

労使協定の締結と労働者からの個別同意を得る

ある程度の社内ニーズがあった場合でも、実際に導入するには、過半数労働組合もしくは過半数代表者との間で、労使協定の締結が必要です。協定では、給与のデジタル払いの対象となる労働者の範囲や、取扱指定資金移動業者の範囲などについて取り決めます。

その上で、給与のデジタル払いを希望する個々の労働者に対しては、留意事項等を説明して個別の同意を得ることも必要です。なお、給与のデジタル払いを選択肢として提示する場合は、必ず銀行口座や証券総合口座への選択肢も合わせて提示する必要があります。

つまり、「現金払いかデジタル払いか」という選択肢は不可で、銀行口座または証券総合口座を選択する余地を残しておかなければなりません。

従業員のアカウント情報を収集する

利用する指定資金移動業者サービスについて、送金先となる従業員のアカウント情報を収集することが必要です。

口座番号等で比較的情報が担保されている銀行口座と比べて、上記のサービスはキー情報の識別が困難であるため、慎重に確認するよう注意しましょう。

給与システムの選定・改修の必要性を判断する

銀行振込とは送金フローが大幅に異なるため、給与情報のデータ項目やデータ形式の変更が必要になることが考えられます。

既存の給与システムの改修はほぼ避けられず、かりに改修が難しい場合は、デジタル払いに対応した給与システムへの切り替えが発生する可能性もあります

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給与デジタル払いでよくある質問

給与デジタル払いに関して、よく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。

Q
給与の支払いをデジタル払いに一本化できる?
Q
指定資金移動業者が破綻したら補償される?
Q
給与のデジタル払いはいつから始まる?

給与のデジタル払いは、システム見直しの絶好の機会

給与のデジタル払いは、社会的ニーズが大きく、それなりにメリットもあるものの、現時点では不確定な情報が多く、懸念事項が多いのもまた事実です。

ただし、国際化・デジタル化の流れから、今後はこの動きが加速し主流となることは避けられないため、早期に対応するに越したことはありません。

デジタル払い導入には、給与システムの見直しが不可欠ですが、見方を変えると、給与システムの見直しに並行して、そこへ連携するための勤怠管理システムも同時に見直すいい機会でもあります。

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給与のデジタル払い導入に向け、勤怠管理システムの導入を検討している方は、勤怠管理システムの選定・比較ナビを是非ご利用ください。

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