退職する従業員の方から「退職証明書」の交付を請求されることがあると思います。この退職証明書は、退職者から請求があれば、基本的には発行する義務があります。

公的な書類ではないため、特定のフォーマットなどはありませんが、記載すべき項目や反対に記載してはならない項目は方で決まっています。

この記事では、退職証明書の書き方や発行時の注意点について、わかりやすく解説します。無料でダウンロードできるテンプレートもご用意しましたので、ぜひご活用ください。

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退職証明書とは

退職証明書とは、対象の従業員が自社を退職した事実を証明する書類です。ハローワークや年金事務所などへ提出する公的な書類ではありません。所定の様式などはなく、本記事でも掲載しているテンプレートをカスタマイズして利用するのが一般的です。

退職に際して必ず発行しなければならない書類ではありませんが、退職者から一定の事項につき証明を求められた場合は、これに応じる義務があります。

退職証明書が必要となる場面

退職証明書が必要になるケースとして、主に以下のような事例が考えられます。

  1. 転職先から提出を求められた場合
  2. 国民健康保険や国民年金の加入手続き時に、離職票がない場合
  3. 失業手当の申請手続きで離職票の交付が遅れている場合

1は、転職先が履歴書や職務経歴書との内容照合や賃金決定の参考とするために、退職証明書て提出を求めるケースです。

2は、退職者がすぐに再就職せず、国民健康保険や国民年金に加入する場合に、本来添付すべき離職票が手元になく、代替書類として提出するケースです。

3も同じように、本来ハローワークに提出する離職票の発行が遅れている場合に、仮書類として提出するケースですが、この場合は離職票が発行されたら改めて速やかに提出する必要があります。

離職証明書との違いは?

「離職証明書」は、ハローワークから離職票の発行を受けるために、会社が作成する書類です。失業手当の受給に必要であるため、本人から請求があった場合は、迅速に発行しなければなりません。

一方で、再就職先が既に決まっているなどの理由により、退職者本人が特に希望しない場合は、発行する義務はありません。ただし、退職者が59歳以上である場合は、「高年齢雇用継続給付金」の手続きに必要であるため、請求の有無にかかわらず発行が義務付けられています。

書式はハローワーク備付けの3枚綴り定型複写式で、提出後に3枚目が「離職票-2」として、ハローワークから交付される仕組みになっています。なお、同時に交付される「離職票-1」はOCRカード様式の書類で、失業手当の受給には両方必要なので、忘れずに退職者に送付しましょう。

在職証明書との違いは?

「在籍証明書」は、従業員が会社に「現に在籍している」、もしくは「過去に在籍していた」ことを証明する書類です。公的な書類ではなく、主に以下の用途で用いられます。

  • 保育園(保育所)への入園
  • 転職活動
  • 住宅ローン
  • 外国人労働者の就労ビザ申請

退職証明書と違い、従業員から発行を求められても、会社に応じる義務はありません。ただし、特に会社に不利益となるような事情がないのであれば、無用なトラブル防止のためにも応じることをおすすめします。

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退職証明書のテンプレート

無料でダウンロードできる「退職証明書」のテンプレートをご用意しましたので、以下のリンクより是非ご活用ください。

退職証明書の書き方

退職証明書は、フォーマットは自由ですが、いくつか注意点がありますので、本記事のテンプレートに沿って解説します

退職者からの請求に応じて記載すべき事項

以下の5項目については、本人が希望する項目の記載が必要です。

  • 使用(雇用)期間
  • 業務の種類
  • その事業における地位
  • 賃金
  • 退職の事由(解雇含む)

ただし、請求のない項目は記載してはなりません。たとえば、「使用期間」のみの証明を求められた場合は、「賃金」や「退職の事由」を記載することは禁じられています。

一方で、上記5項目以外(「就業場所」や「賞罰」など)は、たとえ請求があっても、記載に応じる義務まではありません。

退職証明書に記載してはならない事項

退職証明書には、「国籍」「信条」「社会的身分」「労働組合運動」に関することを記載してはなりません

(退職時等の証明)
第二十二条 ④ 使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第一項及び第二項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。

労働基準法第22条4項|法令検索 e-Gov

また、同じ条項より、退職証明書には秘密の記号を記入してはならないとされています。「秘密の記号」とは、たとえばあらかじめ第三者と申し合わせて、「かつてストライキに加わったことがある」場合などに、欄外に✗印を記入する、といったケースが該当します。

なお、上記はいずれも「予め第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として」ということが前提であるため、事前申し合わせのない具体的照会に対して、個別に回答することまでは禁止されていません。

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退職証明書でよくある質問

退職証明書について、よく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。

Q
退職証明書の発行を拒否したらどうなる?
Q
懲戒解雇した退職から請求されたら?
Q
退職証明書は、過去何年前の退職者まで必要?
Q
第三者から退職証明書の請求があったら?

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退職証明書はテンプレート利用が便利

退職証明書は、記載項目が多いわけでもなく、また必要以上のことも書くことができないため、本記事のようなテンプレートを使うのが効率的です。

また、直近の退職者でなくても、2年以内であれば請求に応じる義務があるため、即座に過去分のデータが照会できる勤怠管理システムがあると便利でしょう。過去に作成した労働者名簿・賃金台帳・出勤簿データを保存しておけるため、必要なときにすぐに抽出可能です。

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