適切な残業手当の計算及び支払いは、従業員のモチベーション維持と労働満足度の向上に直結し、企業の法令遵守と社会的信頼の確保にもつながります。しかし、残業手当の計算は多くの複雑な要素が絡み合うため、正確な理解と適用が求められます。

本記事では、残業手当の基本から、多様な働き方における計算方法、さらには端数処理のルールに至るまで、残業手当計算を網羅的にわかりやすく解説します。この記事を通じて、残業手当計算の正しい知識を身につけ、従業員と企業双方にとって公正で透明性のある労働環境を実現しましょう。

勤怠管理システムでお困りのあなたへ
・今よりも良い勤怠管理システムがあるか知りたい
・どのシステムが自社に合っているか確認したい
・システムの比較検討を効率的に進めたい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

残業手当とは?

残業手当とは、従業員が行った残業に対して支払われる手当を指し、法的には「割増賃金」と呼ばれます。残業手当には、大きく分けて以下の3種類があります。

  • 時間外割増賃金
  • 深夜割増賃金
  • 休日割増賃金

そもそも残業とは?

一般的に使われる残業という言葉は、法的には「時間外労働」と呼ばれます。また、広い意味で深夜労働や休日労働も残業に含めて考える場合もあります。

労働基準法においては、労働時間の上限は1日8時間、週40時間と定められています。これを超える労働が発生した場合、残業とみなされ、残業手当の支払いが必要になります。この基準の理解は、残業手当計算のベースとなります。

一般的に残業は、所定労働時間を超えた労働のことを指しますが、この「超える」という状況は、企業の就業規則や労働契約によっても変わることがあります。残業が発生しても必ずしも残業手当が発生するわけではなく、これには法定内残業と法定外残業の違いを理解することが必要となります。

法定内残業と法定外残業

法定内残業とは、1日の法定労働時間内、または週40時間以内の残業を指します。この場合の残業手当は、通常の賃金で支払われることが多いですが、企業によっては割増賃金が適用される場合もあります。

法定外残業は、1日の法定労働時間または週40時間を超える労働を指し、割増賃金の支払いが法律で義務付けられています。この割増賃金率は、時間帯や休日労働によっても変わるため、正確な計算が求められます。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

残業手当の種類と割増率

広義の残業手当は、大きく分けて以下の3種類があり、それぞれ発生要件や割増率が異なります。

  • 時間外労働手当
  • 深夜労働手当
  • 休日労働手当

時間外労働手当

時間外労働手当は、法定労働時間を超えた労働に対して支払われる手当です。計算基準は「1時間あたりの賃金 × 割増率 × 残業時間」で、この基準に従って残業代が算出されます。

時間外労働の割増率は通常25%以上ですが、月60時間を超える残業に対しては、割増率が50%以上と高くなる場合があります。ただし、従業員が希望する場合に限り、この25%以上の上乗せに代えて代替休暇を取らせることも認められています。

深夜労働手当

深夜労働とは、22時から翌5時までの間に行われる労働を指します。この時間帯に行われる労働には、法定の割増賃金が適用されます。

深夜労働の割増率は通常25%以上とされていますが、この割増賃金は時間外労働や休日労働の割増と重複して適用されます。たとえば、時間外労働が深夜に及ぶ場合には、25%+25%で50%以上の割増賃金が必要となります。

休日労働手当

休日労働とは、法定休日に行われる労働のことを指します。法定休日とは、労働基準法において「週1日または4週につき4日」付与が義務付けられている休日で、企業ごとに定める所定休日とは異なります。

休日労働の割増率は、通常35%以上とされていますが、休日労働が深夜に及ぶ場合には、さらに深夜割増賃金を加算する必要があります。ただし、休日労働には時間外労働の概念がないため、時間外割増賃金が重複して発生することはありません。

残業手当が重複したら?

残業手当が重複する場合、例えば深夜時間帯の休日労働など、複数の割増賃金が適用される状況があります。このような場合の計算方法を正しく理解していないと、残業手当の未払いが発生したり、反対に過払いが発生したりするため、注意しましょう。

基本的には、深夜割増賃金は「働く時間帯」に対応した割増賃金であるため、時間外割増賃金及び休日割増賃金と重複して適用されますが、時間外割増賃金と休日割増賃金は互いに重複することはないと理解しておきましょう。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

特殊な勤務形態での残業手当計算

変形労働時間制やフレックスタイム制などは、通常の勤務形態と異なる残業時間の管理が必要になります。ただし、どのような勤務形態であっても適用される割増率は変わりません。

変形労働時間制の残業手当計算

変形労働時間制とは、1年や1ヶ月など一定期間の労働時間の週平均が法定労働時間以内であれば、1日あたりまたは特定の週の労働時間が法定を超えてもよいとする制度です。

変形労働時間制では、基本的に設定された期間内(「変形期間」と呼びます)での週平均労働時間が法定労働時間を超えなければ、超過分に対する残業代は発生しません

フレックスタイム制の残業手当計算

フレックスタイム制とは、始業・終業の時刻を従業員が柔軟に設定できる勤務形態です。フレックスタイムのうち、必ず出勤しなければならない時間帯をコアタイム、従業員が自由に出退勤を設定できる時間帯をフレキシブルタイムと呼びます。

フレックスタイム制における残業代計算は、フレックスタイム制の適用期間(「清算期間」と呼びます)に設定された所定労働時間を超過した時間が時間外労働となるため、基本的に日ごと週ごとでは残業代計算を行いません

裁量労働制の残業手当計算

裁量労働制とは、労働時間ではなく成果に基づいて賃金が支払われる制度です。裁量労働制においては、実労働時間に関係なく、設定したみなし労働時間分の労働があったものとして扱われるため、通常は時間外労働に対する割増賃金は発生しません

ただし、以下の3つのケースにおいては割増賃金が必要となるため、注意しましょう。

  1. みなし労働時間が法定労働時間を超えている
  2. 法定休日に働いた
  3. 深夜労働が発生した

管理監督者の残業手当計算

管理監督者は、企業の意思決定に関与し、従業員の人事や評価に対して一定の権限を付与された者を指し、いわゆる管理職とは異なる概念です。管理監督者には、労働時間、休憩及び休日の規定が適用されないため、原則として残業代の対象外とされます。

ただし、深夜労働に関する規定は一般従業員と同じように適用されるため、深夜割増賃金の支払いは必要です。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

残業手当の端数処理

1時間未満や30分未満の残業手当を切り捨てる事例が少なくありませんが、これは明確に違法です。ただしい残業手当の端数処理をみていきましょう。

残業手当は1分単位で支給

労働時間は1分単位で正しく集計管理する必要があり、これを切り捨てることは認められません。よって、残業手当も1分単位で正しく計算して支給しなければなりません

残業手当の端数処理の例外ルール

1日単位で残業時間を切り捨てることは認められませんが、「1ヶ月における時間外労働・休日労働・深夜労働の時間」について、30分以上1時間未満の時間を1時間に切り上げ、30分未満の時間を切り捨てることは、事務簡略化のために例外的に認められています。

なお、この例外処理の対象となるのは、あくまでも割増賃金の対象となる「時間外労働・休日労働・深夜労働」の時間についてのみです。よって、時給制のパート・アルバイトなどの通常の労働時間は、1ヶ月通算であっても1分単位で計算しなければなりません。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい


勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

残業手当の正しい計算には勤怠管理システムがおすすめ

残業手当の正確な計算は、従業員の労働に対する正当な評価と、企業の法令遵守の観点から非常に重要です。時間外労働、深夜労働、休日労働など、さまざまなシチュエーションでの割増賃金の適用ルールを理解し、正確に残業代を計算することが、従業員と企業双方にとっての公正な労働環境を実現するために不可欠です。

しかし、残業手当の計算は複雑であり、特に多様な勤務形態を採用している現代の労働環境では、その計算を手作業で行うことは大きな負担となります。勤怠管理システムを導入することで、残業時間の正確な把握から残業手当の計算までを自動化し、労務管理の効率化と正確性の向上を図ることが可能となります。

勤怠管理システムの選定には、機能性、使いやすさ、コストパフォーマンスなど、多くの要素を考慮する必要があります。「勤怠管理システムの選定・比較ナビ」をご利用いただくと、必要な要件を満たしている勤怠管理システムの中から、自社に最もマッチングする製品を探し出せます。

勤怠管理システムでお困りのあなたへ
・今よりも良い勤怠管理システムがあるか知りたい
・どのシステムが自社に合っているか確認したい
・システムの比較検討を効率的に進めたい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。