週休3日制度を導入する企業というのも増えてきています。
それらの企業は果たしてどのようなメリットがあって導入する事を決めたのでしょうか?また実際に週休3日制を導入するにはどうしたら良いのでしょうか?
この記事では、週休3日制を導入すると、社員や企業にとってどんなメリットやデメリットがあり、どのような業種に向いているのかを紹介します。
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週休3日制とは
週休3日制は変形労働制の一種で、1ヶ月の変形労働制を応用した働き方となります。
変形労働制を採用するには、就業規則に記入して労働基準監督署に届け出れば採用出来ます。
1ヶ月の変形労働制を利用して、1週間40時間の労働時間を週4回に分けて働くということになりますが、週休3日制だと1日10時間労働を4回ということになります。

減給がある場合と無い場合
週休3日制では減給がある場合と無い場合があります。
減給がある場合は、従来のように1日8時間労働でそのまま休みが1日だけ増えるという制度です。従業員にとっては休みが増えて、自分の時間を多く使えますし、会社にとっても人件費の節約になります。
減給が無い場合は1ヶ月の変形労働制を利用して、1週間40時間の労働時間を週4回にするやり方で、社員の給料は今までの制度と変わりはありません。毎日通勤するのに時間がかかっている社員にとっては効率的に働く時間を使えるということになるでしょう。
最後に社員にとってはありがたいのが、週休3日で1日8時間労働であるにも関わらず給料は変わらないというパターンです。このパターンだと会社独自の社員への福利厚生のひとつとなり、良い人材の確保に繋がります。
正社員とパート
正社員の場合は1ヶ月の変形労働制を利用して、1週間40時間の労働時間を週4回にするということが一般的で、そのような契約を結べばそのまま導入出来ます。
パートタイム勤務の場合は、時給で給与計算しているところが多いので、仕事の状況によって、時には週休3日制になっているところも多いのではないでしょうか。
単純にい働く時間が少なくなった分、給料が減るわけですが、出勤時間にかける時間が節約出来たり、交通費が安くなったりします。
いずれにしても、出勤時間に時間がかかっていた人にとっては、週休3日制の方が通勤時間も含めた仕事にかける時間が少なくなり、やや有利になります。
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週休3日制の声が大きなったのはいつ?
日本で週休2日制が始まったのは、高度成長期のパナソニックが最初だと言われており、そこから徐々に広まって行きました。
90年代の後半ごろから公立の学校も、週休2日制になってきて、社会でも週休2日制が定着していったのは大体その頃ではないでしょうか。
週休1日制よりも週休2日制の方がむしろ当たり前になってきた昨今ですが、今度は週休3日制の話が大きくなってきました。それでは、週休3日制の声が大きくなったのはいつからで何がきっかけなのでしょうか。
新型コロナ感染対策
週休3日制の声が大きくなったのは、新型コロナの感染対策の一環からでした。
感染対策のためには距離を取らなければなりませんが、オフィスのスペースはすぐに広げることは出来ないので、同時に働く人の数を減らすしかありません。
自宅でのリモートワークで出来ることであれば、自宅でも良いのですが、情報漏洩の問題などでどうしても社内で作業しなければならない事もあります。
セキュリティーがしっかりした環境でやるためには、やはり会社に出勤しないといけないので、そんな中で出来る対策が週休3日制度で出勤する人数を分散させようというやり方です。
オフィスを閉じる日を作らないことで、光熱費などは上がるかもしれませんが、感染力のあるウイルスに社員の誰かが感染してしまうと、業務に大きな影響が出てきます。業務が完全にストップしてしまうことへのリスク対策として、導入を検討している企業もあります。
今後はコロナだけではなく、インフルエンザの感染の対策もしっかりやっていかないといけない世の中になっていくことが予想されるので、感染対策は重要です。そんな感染症対策のひとつとして考えられたアイデアで、週休3日制の声が大きくなってきたのです。
不便も許容してお互い様社会に
もうひとつ最近週休3日制の声が上がってきた要因としては、不便を許容する社会になりつつあるという点です。
例えば欧米諸国では、何かの修理をする業者であっても担当の社員が休みだから出来ないということがよくあります。ドイツでは毎週日曜日は小売業は休まないといけないという、閉店法という法律までもあります。
このような欧米社会だと、何かと不便ではあるものの、自分が働く時でも細かいことでクレームを入れられたりする事もありません。
最近日本でも細かい事でクレームを言わずに、店員さんを尊重しようという人が多くなってきています。そのためかつては毎日営業していないと不満を言われていた業種でも、休みの日を設けられる事に対して理解する声も多くなりました。
ブラック企業の社員による過労死などが社会問題となっている事も、こうした動きになった理由のひとつと言えるでしょう。
多少の不便さは許容して、みんなが働きやすいストレスの少ない社会を目指そうという動きの中から言われてきたのが週休3日制という働き方です。
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週休3日制の導入企業の事例
それでは実際に週休3日制度を導入した企業はあるのでしょうか。週休3日制度は、導入しやすい業種と導入しにくい業種があります。
例えば専門性の強い技術職は、導入しにくい業種のひとつで、専門的技術を持っている人の休みが増えることで、会社の業務に影響も出てくることでしょう。
逆に週休3日制を導入しやすい職種は、専門性が少なく、簡単に替りがきくというタイプの職種です。
金融業界
金融業界では以前から週休3日制を導入している企業は多くありました。
というのは証券取引所が土日は休みなので、それに合わせて土日を定休日にして休むというのは業務上都合が良く、週休2日制の導入は当然の成り行きでした。むしろ、証券取引所が閉まっている日に出勤してもあまりする事もありません。
金融業界が導入しているのはこの週2日の定休日に加えて、もう1日休むかどうか社員が選択出来るというものです。
金融業界の場合は、1日休むとその分給料は安くなります。選択制にすることで、給料は多くなくても良いから休みが多い方が良いのか、給料は減らさず週休2日でやっていくのかを社員自身が選ぶ事になります。
強制ではなく、企業側もその分人件費は安くなるのでお互いにとってメリットのある制度だと言えるでしょう。
小売業界
小売業界に代表されるパートタイム労働者が多い職場でも、導入が進んでいます。
元々誰でも簡単なトレーニングで仕事が出来るようにシステム化されているので、週休3日制度でも週休4日制度でも人数を増やすだけで対応が出来ます。
むしろ、少数精鋭で少ない人数でお店をローテーションして回していると、誰か1人が急病や事故などで働けない状態になってしまうとたちまちお店の営業は回らなくなってしまいます。
ギリギリの人数でやっているとこのようなリスクもあるので、リスク回避のためにも週休3日制で社員を多めに確保しておいた方が都合が良いのです。
ユニクロを運営しているファーストリテイリングは、求人情報を載せている自社のページでも週休3日制を大々的に紹介しています。
小売業は基本的には毎日営業で、営業日は常に出勤しているという社員はおらず、何人かの社員をローテーションで回していくという働き方でした。
そのため休みの日が増えたり減ったりするのは、他の人で調整が出来るので週休3日制の導入にはハードルが低い業態だったと言えるでしょう。
週休3日制のメリット、デメリット
それでは週休3日制にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれ紹介していきます。
週休3日制のメリット
週休3日制のメリットは、働く側の社員からすると全体的な仕事に当てるための時間の軽減です。仕事に当てるための時間というのは、何も実際に会社で働いていた勤務時間だけではありません。
会社に出勤するために身なりを整えるなどの準備をして、電車に乗って出勤して退勤して家に帰るまでの時間を仕事をするために使っているわけです。
たとえ30分で通勤出来る距離であったとしても。往復で1時間になるので、通常の勤務時間に加えて1日1時間仕事のために使っています。8時間労働とはいえ、実際には9時間を仕事のために使っているのです。
週休3日制にして1週間で4日だけ働くと、1日8時間勤務を5回するのと1日10時間勤務を4回するのとだと勤務時間自体は同じです。
しかし、会社に出勤して出来るだけ長く働くことで毎日の移動時間が無くなるので、勤務時間は同じであるものの、オフの時間が増えるという事になるのです。
他にも週休3日制にする事で、旅行に行きやすくなったり、の疲労回復に当てられたり仕事の効率も良くなるでしょう。
会社にとってのメリットはリスク回避です。
やはり人の人生には突発的な事故は付き物で、交通事故に巻き込まれたとか、家族が大きな病気になってしまったとか予測出来ない事故が起こってしまうのは仕方のない事です。
そんな時でも、週休3日制を採用していて、社員を多めに雇っておけば、他の社員の勤務時間を増やすだけで比較的容易に対応が出来ます。
もちろん週休2日制であっても他の社員の出勤時間を増やして調整は出来ますが、出勤を増やされた社員の負担が大きくなってしまいます。週休3日制だと、元々余裕のある働き方だったので無理なく増やすことが出来るというわけです。
さらに週休3日制にすることで、子育て世代の女性なども雇いやすくなります。
例えば夫婦で2人とも週休2日制のフルタイムで働かなければならないほど、家計に困ってはいないものの、夫の扶養の範囲内で働くパートだけでは少し足りないという人は意外と多くいるのです。
実際に、子育てがひと段落したから、フルタイムの仕事を始めるという人も多くいます。サービス業や、女性目線の意見が欲しい製品を作っている職場などでは女性社員が欲しいという会社も多いのではないでしょうか。
女性社員が欲しいという会社にとっては、週休3日制にすることで起用できる可能性が広がりますし、若い女性社員が出産後も引き続き働いてもらえるという事にもなるでしょう。
2週休3日制のデメリット
一方で週休3日制のデメリットとしては、取引先との時間が合わないということが考えられます。
取引先も週休3日制だと、担当者同士が同時に出勤している日が少なくなり、調整が難しくなるという事も考えられます。
また会社のデメリットとしては週休3日制を導入すると、1人あたりの社員が働く日数が少なくなった分、新たに人員を増やさなければなりません。
社員を増やすのは、突発的な事故で働けなくなった社員の仕事の穴埋めもしやすくなるのでメリットでもありますが、逆にデメリットでもあります。
小売業のような、簡単な教育で仕事を任せられる業種であれば良いのですが、専門性や技術が必要な職種であれば、また新たに社員を教育しなければなりません。
会社のサービスや製品を深く理解しておかなくてはならない営業職などでは、社員研修にかける時間も増えてしまうことでしょう。
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週休3日制で人事が気をつける点
週休3日制にすることで労働時間が今までの通りでは無くなるので、人事が気を付ける点がいくつかあります。
週休3日制にする事によって生まれる新たな弊害をどう対処していくのか、就業規則をどう変えていくのかをしっかり検討しなければなりません。
残業をどうするか
まず最初に気をつけなければならないのが残業をどうするかです。
1ヶ月の変形労働制を利用して、1週間40時間の労働時間を週4回にすると1日の所定労働時間は10時間以内にすると残業が発生しません。
もし、週休3日制の人と週休2日制の人が混在していると、1日の労働時間が8時間を超えると残業になる人と、10時間までだと残業にならない人が出てきます。
シフトにいれる時にしっかり管理出来れば良いのですが、週休3日制の人と週休2日制の人が混在しているとシフト管理が大変になります。
また、社員の中には仕事の日は徹底的に働きたいために、1日に12時間働く事を希望する人もいるかもしれません。この場合は、週休3日制とはいえ、1日に長時間働くことで体調が悪くなったりパフォーマンスが低下する可能性があります。
1日に10時間を超える時間働くことを、認めるのか認めないかを決めておかなくてはなりません。
副業を認めるか
週休3日で、給料が安くても良いから通常通りの8時間労働をするという働き方だと副業をする社員も出てくるかもしれません。
サラリーマンが副業をすることは法律で禁止されてはいませんが、会社側が禁止する事も禁止されていません。つまり、会社が禁止しているのに副業をすると、副業した社員は法的には裁けませんが、就業規則で解雇などの処分をすることが出来ます。
週休3日制を導入した際は、副業を認めるのかどうかを決めておかなければなりません。副業を認めると、社員が過労で仕事に影響が出る可能性がありますし、情報流出の恐れもあります。
また、社員の誰かが突然働けなくなった時に、すぐに穴埋めが出来るという週休3日制の会社側のメリットを、副業を認めることで失ってしまいます。
その一方で副業を認めることによるメリットは、フリーランスなどで、本業で仕事のある人が副業として就職を希望してくる可能性があり、今までやってこなかったような人材がやってくる可能性もあります。
例えば最近ではテレビで活躍している芸人でも、会社に就職して兼業としてやっているという人も増えてきています。このような人は一般人と比べて発信力や影響力もあるので、会社としてもその知名度を利用して宣伝などもしてもらえます。
分かりやすい例だと、とある飲食店に週4日テレビやネット上で見たことのある人が働いていると、それ自体がお店の売りとなり得ます。
他にも例えば週2日は飲食店で働き、週4日は業務用機器を作っているメーカーで働くという本業に活かすための副業が出来たりします。この場合は業務用機器を作っているメーカーが実際に取引先である飲食店でも働くことで、どのようなニーズがあるのかを知ることが出来ます。
まとめ
週休3日制度について紹介しましたが、やはり企業にとって一番のメリットは人手不足の時のための保険がきくということではないでしょうか。
そんなにガンガン稼ぎたくないけど、休みが多い方が良いという社員が多いと、1人あたりにかかっている仕事量も少なくなり、万が一の場合も比較的簡単に穴埋めが出来ます。
もし会社の業務が、社員が1人でも欠けると回らなくなるという状況であるものの、これ以上人件費は増やせないということだと週休3日制を検討してみてはいかがでしょうか。
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