完全月給制は、給与月額が固定され欠勤などによる控除が行われない給与形態で、主に管理監督者を対象として採用されています。では、他の給与形態とは具体的にどのような違いが生じるのでしょうか?また、採用する場合は、どのような点に注意すべきなのでしょうか?

この記事では、完全月給制の基本概念から、そのメリットとデメリット、他の給与形態との違い、運用面でで直面するであろう疑問に対する回答まで、わかりやすく解説します。

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完全月給制とは?

完全月給制は、毎月の給与月額が固定で決まっており、欠勤や遅刻・早退があっても賃金控除が行われない給与形態を指します。

完全月給制の特徴

完全月給制は、給与月額があらかじめ決まっており、月ごとの暦日数による変動はありません。たとえば28日しかない2月でも31日ある3月でも、給与月額は変わりません。

また、欠勤や遅刻・早退が生じても、その日数分・時間分の控除は行われず、基本的に給与月額が減額されることはありません。労働基準法の労働時間や休憩、休日の適用を受けない管理監督者に対して採用されることが一般的ですが、企業によっては特定の一般職にも採用されています。

なお、残業代を支払う必要があるか否かについては、適用対象が管理監督者なのか一般従業員なのかによって、取り扱いが異なります。この点については、後ほど詳しく解説します。

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完全月給制と他の給与形態との違い

完全月給制は、他の給与形態と具体的にどう違うのか、以下の給与形態についてそれぞれの違いをみていきましょう。

  • 日給月給制
  • 月給日給制
  • 日給制
  • 時給制

月給日給制との違い

月給日給制は、基本的に月給が固定されている点は完全月給制と同じですが、欠勤や遅刻・早退があった場合は、その分給与から控除されます。一般的に「月給制」という場合は、この月給日給制を指すことが多いです。

完全月給制が管理監督者に多く採用されているのに対して、月給日給制は広く一般従業員に採用されています。

日給月給制との違い

日給月給制は、従業員が実際に働いた日数に基づいて給与が支払われる給与形態です。基本的には1日あたりの賃金が固定で設定されており、これに出勤日数を乗じて当月の給与額を算出します。

完全月給制や月給日給制と異なり、月の暦日数により給与月額が変動するため、たとえば暦日数が28日しかなく祝日も2日ある2月などは、他の月に比べて給与が少なくなる傾向にあります。

日給制との違い

日給制では、1日単位で給与が支払われるため、働いた日数が直接収入に影響します。必ずしも月単位で給与が支給されるとは限らないため、雇用期間の短い日雇い労働などで多く採用されている給与形態です。

時給制との違い

時給制では、実際に働いた時間に応じて給与が支払われるため、短期間の労働に柔軟に対応できます。接客業や飲食店のアルバイト・パートなどで多く採用されている給与形態です。

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完全月給制を導入するメリット

完全月給制を企業側から見た場合のメリットは、以下のとおりです。

  • 人材確保・定着率の向上
  • 生産性向上
  • 人件費管理の効率化

人材確保・定着率の向上

完全月給制の導入は、人材の確保と定着率の向上に繋がります。労働政策研究・研修機構などが発表する報告書によると、安定した収入を提供する給与制度は、特に若年層や優秀な人材の採用において競争力を高めることが示されています。

大手IT企業や製造業で完全月給制を導入した結果、求職者からの応募が増加し、優秀な人材の確保に成功。また、従業員の定着率も向上したケースが多数報告されています。これにより、人材市場における企業の魅力が高まり、優秀な人材の確保と長期的な定着が促進されます。

生産性向上

完全月給制は、従業員のモチベーション向上を通じて生産性を高める効果があります。経済安定が従業員の心理的安全感を高め、結果として仕事への集中力や創造性を向上させることが期待できます。

年間を通じて安定した収入を保証された従業員が在籍する企業では、業績向上の傾向が見られ、特にチームワークとイノベーションの面で効果的です。これにより、従業員の安心感を基に生産性が促進され、企業全体の業績向上に貢献します。

人件費管理の効率化

完全月給制を採用することで、人件費の管理が容易になり、効率化が図れます。人件費が事前に明確であることは、予算管理や財務計画の精度を高めるとされています。完全月給制では、変動する労働時間に基づく給与計算が不要になるため、管理コストの削減にもつながります。

複数の中堅企業が完全月給制への移行後、人件費に関する予算管理が容易になり、その結果、年間の財務計画の精度が向上した事例が報告されています。これにより、人件費の予測可能性が高まり、企業の人件費管理が効率化されます。

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完全月給制を導入するデメリット・注意点

完全月給制を導入するデメリットや注意点としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 人件費の増加リスク
  • 成果と給与の連動が難しい
  • 勤怠管理の重要性

人件費の増加リスク

完全月給制を導入すると、固定給の性質上、人件費が増加するリスクがあります。出勤日数や業績にかかわらず固定給を支払う必要があるため、不況時には特に財務への圧力となり得ます。

特にスタートアップや中小企業では、売上が不安定な中での高固定費負担が経営を圧迫することが想定されるため、事業の安定性や成長段階を考慮し、人件費の増加リスクを管理する必要があります。

成果と給与の連動が難しい

完全月給制では、従業員の成果と給与の連動を実現することが難しくなる場合があります。成果主義の給与体系と比較して、個々の従業員の業績や貢献度を給与に反映させにくいとされています。これは、モチベーションや公平性の観点から問題となることがあります。

IT業界など成果が明確に測定可能な分野では、完全月給制よりも成果に基づくインセンティブ制度を好む傾向があります。成果と給与の連動性を確保するための補完策を講じることが望ましいです。

勤怠管理の重要性

完全月給制を導入する場合、勤怠管理の徹底がより一層重要になります。労働時間の管理は、どの給与形態においても法律で義務付けられており、特に完全月給制の場合は、過剰な労働を防ぐための管理が必要です。

一部企業では、完全月給制を悪用した長時間労働の強要が社会問題となり、勤怠管理の徹底が求められました。従業員の健康と労働環境の保護を目的とした勤怠管理体制の構築が不可欠です。

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完全月給制についてよくある質問

完全月給制について、よく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。

Q
完全月給制でも残業代は必要?
Q
完全月給制で有休を取得した場合の取り扱いは?
Q
完全月給制で途中入社・退社があった場合の取り扱いは?

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