24時間勤務とはどのような働き方なのかご存知でしょうか。24時間勤務は、ホテル業や警備員、病院勤務の仕事でよく見かけることのある働き方です。 24時間連続で勤務するわけにはいかないので、休憩時間や仮眠時間などを取る必要がありますが、どのように取ればいいのでしょうか。

この記事では24時間勤務の休憩時間や仮眠についての実態や、実際の働き方などをわかりやすく解説します。

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24時間勤務とは

24時間勤務とは、その名の通り24時間働くということです。ただし、24時間連続で働くということではなく、24時間のうち8時間は休憩時間、残りの16時間が労働時間というのが一般的です。業態や職種によっては、さらに休憩時間が長い場合もあります。

休憩時間8時間は睡眠時間にあたる場合が多いですが、必ずしも8時間連続というわけではなく、何度かに分けて休憩時間が与えられる場合もあります。

24時間勤務の定義

24時間勤務は、1日の中で2日分働くことになります。 24時間勤務明けの日は休みとなり、さらにその翌日も休みとなります。 24時間勤務をすると1日働いた後、2日休みが与えられるというシフトです。

月曜日が24時間勤務の場合、火曜、水曜は休みとなり、木曜日に24時間勤務をして、金曜、土曜が休みで日曜日が通常の8時間勤務というシフトであれば、週休4日制の週40時間労働による勤務になります。

単純に24時間勤務を繰り返していくと1週間単位にはならず、3日でひとかたまりとなるので休みの曜日が変動して、毎週1日ずつずれていきます。 休みの曜日を固定するには、1日だけ別に休みを入れるか、通常の勤務の日を1日作る必要があります。

24時間勤務は一見きつそうな働き方ですが、週休4日制となるので、人によっては普通に働くよりも効率の良い働き方と解釈できます。 会社に寝泊まりするので通勤時間と交通費がかからない点も、大きなメリットのひとつです。

ただし、労働基準法上の「休日」は0時から24時までの暦日単位で与えなくてはならないため、たとえば午前8時に24時間勤務が明けたとしても、その日は休日として扱うことはできません。

休日として扱えるのは、暦日の休息が確保できる24時間勤務明けの翌日のみということになります。

例外的に暦日ではない休日が認められる例

以下の場合は、例外的に暦日でなくても休日として扱ってよいとされています。

  1. 番方編成による交替制勤務
  2. 自動車の運転業務
  3. 旅館業(フロント係、調理係、仲番及び客室係に限る)

「番方編成による交替制勤務」とは、24時間を3交替制で回すようなシフト勤務を指します。番方編成による交替制であることが就業規則等に明記され、制度として運用されており、かつ規則的な交替制(固定シフト)であることが要件となっています。

「自動車の運転業務」については、「休息期間に24時間を加えた連続時間」を休日とすることが認められています。休息期間は「勤務と次の勤務の間で、睡眠時間を含めて労働者が自由に利用できる時間」で、原則連続8時間以上、分割付与する場合は連続4時間以上とされています。

つまり、原則は8時間以上の休息期間に24時間を加えて連続32時間以上を休日として扱います。休息期間を分割付与した場合は4時間以上に24時間を加えて連続28時間となりますが、この時間は30時間を下回ってはならないため、結局連続30時間が休日として扱える最低ラインとなります。

最後の「旅館業」については、「休日が2暦日にまたがって付与されること及び休日の時間帯について、あらかじめ従業員に明示している」ことを条件に、正午から翌日正午までを含む継続30時間以上の休息時間を休日とすることが認められています。

24時間勤務の職種例

24時間勤務の仕事をしている職業としては、警備員や医師、看護師などの病院勤務のほか、消防士などの公務員も該当します。

24時間勤務をするためには、まず従業員が仮眠を取るためのスペースが必要ですので、何らかの宿泊施設があるような職場であれば24時間勤務が可能となります。

このような働き方には、24時間勤務のほかにも当直勤務という形態がありますが、当直勤務は24時間勤務とは少し違う制度です。 当直勤務は労働基準法では「監視継続労働」と呼ばれています。

当直勤務は、労働基準監督署の許可を得ることで通常の3分の1の賃金で勤務させることが可能ではあるものの、ほとんど仕事をすることがなく、待機時間が多い場合のみに限られます。

当直勤務は簡単な業務しかすることができないので、例えば病院の当直勤務の場合は実際に医療行為などはできません。

24時間体制で二交代・三交代の場合も

24時間体制の業種・業態でも、ホテルスタッフや看護師、介護師などは24時間勤務ではなく、日勤、夜勤、準夜勤と分ける交代勤務制の場合もあります。

二交代制は「日勤」と「夜勤」の2シフト

  • 日勤8:00~17:00(8時間勤務)
  • 夜勤16:30~9:00(休憩2~3時間含む16時間勤務)

12時間交代の2シフト

  • 9:00~21:00(11時間勤務)
  • 21:00~9:00(11時間勤務)

三交代制は「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3シフト

  • 日勤8:30~17:00(8時間勤務)
  • 準夜勤16:30~00:30(8時間勤務)
  • 深夜勤0:00~9:00(8時間勤務)

忙しい時間帯に多くの人員を確保する3シフト

  • 日勤8:30~17:00(8時間勤務)
  • 準夜勤16:30~00:30(8時間勤務)
  • 深夜勤0:00~11:00(10時間勤務)

終電後で通勤手段がないことに配慮した3シフト

  • 日勤7:00~15:00(7時間勤務)
  • 準夜勤14:30~22:30(7時間勤務)
  • 夜勤22:00~9:00(10時間勤務)

このほかにもパートタイム労働者などを雇って、細かく交代する場合もあります。 飲食店や、ホテル業など忙しい時間帯がごく短い時間に集中している業種はパートタイム労働者を活用する場合が多いです。

ただし、パートタイム労働者を雇うとシフト管理が複雑になってしまい、シフト作成に毎回大きな時間をかけなければなりません。 二交代か三交代で時間を決めてグループ分けしておいた方が、シフト管理は楽です。

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24時間勤務(1勤2休)の働き方 ※施設警備員の事例

24時間勤務の働き方の中でも多くの人が従事する身近な職業として、施設警備員があります。 施設警備員は業務の性質上、待機時間が長く、24時間常に警備をしなければならないので、24時間勤務をすることの多い職業です。

施設警備員の働き方についての流れを紹介します。

ある1日の流れ

まず9時に出勤して、8時間勤務をして最初の仕事を終えます。 この8時間の間に1時間の休憩が与えられる事が多いです。

朝から出勤していると、昼頃には昼食のためにどこかで休憩を取らなければなりません。 最初の勤務が終わったあと、8時間の休憩時間が与えられ、この時間に仮眠を取ることができます。

必ずしも仮眠を取らなければならないわけではなく、休憩中の8時間は労働から解放されているので、どこかに出かけても制度上は問題ありませんが、ここで仮眠を取らなければあとで仮眠を取る時間がなく、後半の仕事が非常につらいものになってしまいます。

なお、何か指示があれば休憩中でも業務に戻らなければならないというときは、労働時間から解放されていないので休憩時間とはみなされません。

8時間の休憩のあと、さらに8時間の勤務をして24時間勤務は完了です。 24時間勤務が終わった日は明け休みとなり、さらにその翌日も休みとなるので、24時間勤務のあとは2連休となります。

つまり、朝9時に出勤して翌日の朝9時に勤務時間が終了し、そのままその日の朝からは休みとなり、翌々日の勤務開始時間まで休みです。

休憩時間

24時間勤務の休憩時間はまとめて8時間取る場合と少しずつ取る場合があり、まとめて8時間取ると継続して睡眠を取ることできます。

まとめて8時間休憩時間を取ると、残りの16時間は休憩をせずに働き続けるということになります。

休憩時間の回数に上限はないので、8時間の勤務の中で1時間の休憩が与えられることもあります。 ただし、労働基準法にはノーワーク・ノーペイの原則があるので、与えられた休憩時間分の賃金は支払われません。

仮眠時間

24時間勤務の場合は、仮眠時間を確保しなければなりません。

仮眠時間がないとたとえ休憩時間を充分に与えても、24時間ずっと起きたままになり従業員の健康状態が悪くなってしまうばかりか、仕事に対しての集中力も低下してしまいます。 しっかりと集中できて、効率の良い働き方を促すためにも仮眠時間は必要です。

また仮眠をするための施設なども必要です。 ホテルや病院、介護施設では業務上ベッドは必ずあるので、空いている部屋を従業員が仮眠をするための部屋として使うことが可能です。

それ以外の、施設警備員のような働き方の場合は、従業員の休憩場所に仮眠が取れるような設備を設置しなければなりません。 横になれるスペースもなく、椅子しかないような職場環境では24時間勤務をさせることはできません。

明け休み

24時間勤務が終わった日は、明け休みと呼ばれることもありますが、前述したように厳密には休日ではありません。

例えば8時に出勤し、翌日の8時に勤務を終え帰宅して日は明け休みとなります。 次の日は暦日で確保される休日となります。

24時間勤務の場合は職場に寝泊まりしているため通勤時間もかからず、人によっては効率の良い働き方といえます。

さらに深夜勤務手当も加算されるので、昼の時間帯に同じ時間の労働をするよりも賃金は高くなる傾向があります。

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24時間勤務の労働基準法

24時間勤務は労働基準法でどのように定義されており、どのような勤務の仕方だと違法となってしまうのでしょうか。24時間勤務について明記はされていませんが、労働基準法上の解釈としていくつか紹介します。

仮眠は労働時間にカウントされる?

仮眠は労働時間にカウントされる場合とカウントされない場合があります。 仮眠中は完全に労働から解放された休憩時間として、どのようなことがあっても業務には着手しないということであれば、労働時間にカウントされません。

一方で、仮眠中に何かあった場合は直ちに勤務に戻らなければならない状況であれば、仮眠時間は待機時間ということになり、労働時間にカウントされます。

仮眠が労働時間にカウントされる例としては、夜勤の医師で勤務中に急患等が発生したら直ちに対応しなければならないという状況などが該当します。

また、そのどちらでもない例として当直勤務があります。 当直勤務の場合、仮眠中に何かあれば対処しなければなりませんが、それほど大きな業務はできません。

病院勤務であれば、仮眠中に急患が発生して自ら対処しなければならない場合は当直勤務ではなく夜勤の待機中という扱いになります。

待機中は賃金が発生する

労働基準法においては待機中で特にすることがなくても、使用者の管理監督の下にあり、指示があればすぐに動かなければならないという状況である限り、労働時間として扱われます。

結果的に何もすることがなかったからといって、その時間を休憩時間に変えることはできません。

これは仮眠時間においても同様で、仮眠中に何か問題が起きた場合に駆けつけなければならない決まりがある場合は、仮眠時間も勤務時間として扱われます。

ただし、交代制で自分が仮眠中に何か問題が起きた場合は違う人が対処するという仕組みが作られていると、その時間は完全に労働から解放されていることになり休憩時間として認められます。

同じように電話が鳴ったら応対しなければならないという状況であれば、仮眠中でも勤務時間として考えられます。 一方で、電話には一切出る必要はなく、他の従業員が応対してくれる場合は仮眠時間は休憩時間と認められます。

残業代はどうなる?

24時間勤務の場合、多くは変形労働制となっています。 つまり、変形労働時間制の対象期間内で週の平均労働時間が法定労働時間内に収まっていれば、特定の日や週に法定労働時間を超過しても、基本的には時間外労働とはなりません。

ただし、変形労働時間制であっても、深夜労働に対しては深夜割増賃金が、休日労働に対しては休日割増賃金が、それぞれ発生するので注意が必要です。

24時間勤務で違法となったケース

24時間勤務で違法となったケースを紹介します。

典型的なケースは、休憩時間が十分に確保されていなかった場合です。 24時間勤務のうち少なくとも8時間は休憩時間にしなければなりません。

さらに、その休憩時間であっても客の応対や何かあった時の対処などもしている場合は、休憩時間とは認められません。

従業員が24時間勤務のうちに休憩できるような時間がない場合は、交代制で誰かもう1人と交代して勤務をする必要があります。

また、場合によっては当直勤務という働き方もすることが可能です。 当直勤務であれば、簡単な電話の応対や緊急時の対応等のために待機をさせておき、通常より安い賃金で仕事をさせることができます。

当直勤務として認められるかどうかは、労働基準監督署の判断によります。

24時間勤務は勤怠管理システムで管理

24時間勤務は、労働者への負担も大きく、また深夜労働や休日の付与などについて、違法とならないよう厳格な運用が求められます。

勤怠管理システムを導入することで、労働時間と休憩時間の的確な管理や、法に則った労働時間の集計及び賃金計算が可能となります。また、従業員ごとの勤怠状況をリアルタイムで把握できるため、過重労働に陥りそうな従業員をいち早くケアすることも可能となります。

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