労働者を新たに雇い入れたとき、「雇用契約書」を交わさないまま就業させるケースがたまに見受けられます。

では、雇用契約書がないと違法となるのでしょうか?また、雇用契約書がないとどのようなリスクがあるのでしょうか?

この記事では、雇用契約書の必要性やない場合のデメリットなどについて、わかりやすく解説します。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムの機能要件を整理したい場合は、 IT Forward をご利用ください。

要件定義からできる勤怠管理システムの選定比較サイト
- IT Forward -
利用してみる
\無料でご利用できます/

雇用契約書がないと違法?

雇用契約書がないというだけで、違法となるわけではありません。たとえば、労働契約法第4条には以下のような規定がありますが、あくまでも努力義務にとどまっています。

(労働契約の内容の理解の促進)
第四条 使用者は、労働者に提示する労働条件及び労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにするものとする。
2 労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。

労働契約法第4条|法令検索e-Gov


ただし、労働基準法では、雇用契約に際して一定の労働条件につき、書面にて労働者に明示することを義務付けているため、「労働条件通知書」など他の書面で労働条件を明示していない場合は、労働基準法違反となります。

また、雇用契約書がないと、労働者が労働条件について同意していたことの証明が困難となり、労使トラブルが発生した際に会社の言い分が認められないという大きなリスクを抱えることになります。

雇用契約書とは

雇用契約書とは、雇用主が提示した労働契約に、労働者が合意したことを証明する文書です。雇用契約書は2通作成し、契約に合意した事実を証明するため、労使双方が署名・押印して、それぞれ1通ずつ保管するのが一般的です。

労働(雇用)契約は、当事者の合意のみによって成立する諾成契約に分類されます。よって口頭の取り決めだけでも、契約としては有効に成立します。

それでも雇用契約書を交わすのは、他の契約と同じように、将来的にトラブルになった際に「言った」「言わない」の水掛け論を避けるためです。

なお、労働条件通知書などで、必要な労働条件がすべて明示されていれば、必ずしも雇用契約書の中で労働条件を網羅していなくても差し支えありません。

労働条件通知書との違いは?

雇用契約書と労働条件通知書との主な違いは、交付の義務があるか、労働者の同意を確認できるか、という点です。

労働条件通知書は、個別の労働条件について、雇用主から労働者に明示した文書で、労働者の署名・押印は不要です。

労働基準法では雇用主に対して、雇用に際し一定の労働条件につき書面にて労働者に明示するよう義務付けています。そのため、労働条件通知書を交付していない場合、他に労働条件について明示する手段がない限り、労働基準法違反に問われます。

明示すべき労働条件

別途労働条件通知書を作成せず、雇用契約書が労働条件通知書も兼ねる場合は、以下の労働条件を記載する必要があります(絶対的記載事項)

  1. 労働契約の期間、有期の場合は更新の基準
  2. 就業場所及び従事すべき業務
  3. 始業・終業時刻、所定外労働時間の有無、休憩時間、休日、休暇
  4. 賃金の決定・計算方法、支払方法、締め日・支払日
  5. 退職(解雇の事由を含む)

また、パートやアルバイトなどの短時間労働者に対しては、上記に加えて以下の項目も記載が必要です。

  1. 昇給の有無
  2. 賞与の有無
  3. 退職金の有無
  4. 短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口

さらに、以下の事項については、制度として導入している場合には記載が必要です(相対的明示事項)。

  • 退職金の支払い時期と労働者の適用範囲
  • 賞与の回数や最低支払額
  • 安全衛生
  • 職業訓練
  • 災害補償及び業務外の傷病扶助
  • 表彰及び懲戒処分
  • 休職

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムの機能要件を整理したい場合は、 IT Forward をご利用ください。

要件定義からできる勤怠管理システムの選定比較サイト
- IT Forward -
利用してみる
\無料でご利用できます/

雇用契約書がない場合のリスクとは

以下のように、法律面や労働者との信頼関係、労使トラブルなどの点から、さまざまなリスクが考えられます。

・労働条件通知義務違反に該当する
・労働者に不安を与える
・試用期間があいまいになる
・転勤や配置転換ルールがあいまいになる
・固定残業代が認められない可能性がある
・退職ルールがあいまいになり、不当解雇の可能性も高まる

労働条件通知義務違反に該当する

雇用契約書がないだけであれば違法にはなりませんが、労働条件通知書も交付していない場合、労働者に労働条件を書面で明示していないことになります。これは労働基準法違反に該当し、30万円以下の罰金が科せられる可能性があります

労働者が不安になる

どのような労働条件で働いているか、労働者は把握できないため、大きな不安を与えることになります。求人票と実際の労働条件で大きなギャップが生じた場合は、早期離職の可能性も出てきます。

また、特に有期雇用契約者は、いつ契約満了となるかわからず、自らの雇用身分そのものに常に不安を抱きながら働くことになります。このような状態では、労働者との信頼関係も深まらず、離職率向上や業務効率の低下を招きかねません。

試用期間があいまいになる

新規雇用後に一定の試用期間を設ける場合は、期間の長さや試用期間中の待遇、本採用の条件などを明示しておく必要があります。

試用期間の認識が労使間で食い違っていると、不信感を招きトラブルに発展しかねません。基本的には、就業規則に明記し従業員に周知されていれば足りますが、雇用契約書にも記載しておくのが無難でしょう。

転勤や配置転換ルールがあいまいになる

就業場所や従事する業務は、必ず書面にて明示すべき労働条件として定められており、転勤や配置転換など、当初の労働条件を変更する可能性がある場合も、その旨を明記しておく必要があります。

特に転勤は、労働者の生活に直結する重大な労働条件の変更です。判例においても、就業規則の規定のみを根拠として発令した転勤命令が否定されています。雇用契約時に配置転換や転勤について説明し、雇用契約書にも明記しておきましょう。

固定残業代が認められない可能性がある

固定残業代を支給する場合は、以下の事項について、労働者に説明して合意を得る必要があります。

  • 基本給と割増賃金が明確に区分できること
  • 割増賃金分が何時間分に相当するのか
  • 実残業時間がみなし残業時間を超過した場合は、差額を追加支給すること

上記について合意がないまま固定残業代を支給しても、認められず追加の残業代の支給を命じられる可能性があります

退職ルールがあいまいになり、不当解雇のおそれも

定年退職の年齢や再雇用。自己都合退職の通告期限なども労働者に明示しておく必要があります。

また、解雇の事由についても記載に漏れが無いよう注意が必要です。雇用契約書などで明示列挙されていない理由で解雇しようとしても、解雇権の濫用として認められない可能性が高いでしょう。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムの機能要件を整理したい場合は、 IT Forward をご利用ください。

要件定義からできる勤怠管理システムの選定比較サイト
- IT Forward -
利用してみる
\無料でご利用できます/

雇用契約書についてよくある質問

雇用契約書について、よく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。

Q
パート・アルバイトにも、雇用契約書は必要?
Q
個人事業主でも、雇用契約書は必要?
Q
雇用契約書は途中からでも必要?

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムの機能要件を整理したい場合は、 IT Forward をご利用ください。

要件定義からできる勤怠管理システムの選定比較サイト
- IT Forward -
利用してみる
\無料でご利用できます/

リスク回避のために雇用契約書は作成しましょう

雇用契約書の作成・交付義務はありません。しかし、雇用契約書を交付していない状態は労使双方にとって、危険な状態です。労務トラブルが発生した場合、労働条件通知書だけでは、労働者が労働契約に同意したと証明するには不十分だと判断されます。

労働条件通知書には、署名や押印の欄が設けられていないためです。トラブルを回避するためにも、雇用契約書の作成・交付を徹底しましょう。また、雇用契約書で合意した労働条件を正しく反映するためには、クラウド型勤怠管理システムの導入が有効です。

勤怠管理システムは労働時間・時間外労働・有給休暇の取得状況など、社員の勤怠データを自動で集計するシステムです。出退勤時刻は社員に貸与したスマートフォンやノートPCから打刻するため、代理打刻が起きる心配もいりません。

そして、システム導入の際にサーバーやネットワーク機器の調達は必要ありません。メンテナンスやアップデートもベンダーへ依頼できます。初期費用とランニングコストを抑えられるため、予算の確保が厳しい企業も十分導入を検討できるでしょう。

「勤怠管理システムの選定・比較ナビ」をご利用いただくと、必要な要件を満たしている選択肢から、自社に最もマッチングするシステムを探し出せます。低コストでハイスペックな機能を搭載している勤怠管理システムを多数扱っている点も、嬉しいポイントです。

労務管理の工数増大にお悩みの方は、勤怠管理システムの選定・比較ナビを是非ご利用ください。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムの機能要件を整理したい場合は、 IT Forward をご利用ください。

要件定義からできる勤怠管理システムの選定比較サイト
- IT Forward -
利用してみる
\無料でご利用できます/