解雇は、会社が一方的に労働者との雇用契約を終了させる行為ですが、「普通解雇」はその中でも最も一般的な手続きによって行われるものを指します。

解雇は会社にとって大きなリスクを伴う重要な行為です。法的な要件や手続きを欠いたまま解雇を行うと、不当解雇とみなされ解雇無効や賠償責任の判断がくだされる可能性もあります。

本記事では、事業主や管理者の方向けに、普通解雇に関するリスクや対策について、わかりやすく解説します。普通解雇に伴う問題を事前に理解し、適切な対策を講じることで、職場の安定と従業員の信頼関係を築くことができます。

勤怠管理システムでお困りのあなたへ
・今よりも良い勤怠管理システムがあるか知りたい
・どのシステムが自社に合っているか確認したい
・システムの比較検討を効率的に進めたい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

「普通解雇」とは

「普通解雇」とは、会社から一方的に労働者との雇用関係を終了させる解雇手続きの一つです。普通解雇は、労働者の能力や勤怠の問題、経営的な理由などの要因に基づいて行われる場合があります。

この内、経営上の理由など会社都合により行われる解雇を特に「整理解雇」と呼び、狭い意味の「普通解雇」と区別されます。本記事においても、整理解雇以外の普通解雇について、解説を進めていきます。

普通解雇のメリット

普通解雇のメリットとしては、主に以下のような事項が挙げられます。

  • 柔軟な人員調整が可能
  • 長期労働者に対するリスク軽減

柔軟な人員調整が可能

普通解雇により、会社は人員をある程度柔軟に調整することができます。特に勤務態度や業務処理能力に大きな問題を抱える従業員を普通解雇することで、職場規律の保持や生産性の向上につながります。

長期労働者に対するリスク軽減

また、普通解雇は長期間勤務している労働者に対するリスク軽減の手段としても機能します。労働者が雇用が長期間に及ぶと、その能力や成績に見合わない人件費を抱えることになります。普通解雇を適切に行うことで、こうした経営上のリスクを軽減することができます。

普通解雇のデメリット

普通解雇のデメリットとしては、以下のような事項が挙げられます。

  • 従業員の士気低下や離職率の上昇
  • 雇用環境の不安定化
  • 労働組合との対立の可能性

従業員の士気低下や離職率の上昇

普通解雇により、従業員の士気低下や離職率の上昇を招く恐れがあります。解雇は従業員にとって大きなストレスや不安を引き起こします。本人だけでなく他の従業員も心理的な不安を感じ、仕事へのモチベーションが低下する可能性があります。

雇用環境の不安定化

解雇が頻繁に行われる会社では、従業員が将来のキャリアや安定した収入を見据えて働くことが難しくなる可能性があります。これにより、会社全体の労働力の安定性や継続性が損なわれることがあります。

労働組合との対立の可能性

普通解雇は労働組合との対立を引き起こす可能性もあります。労働組合は従業員の権益を守るために行動することが目的であり、普通解雇の理由や手続きに対して労働組合から異議を唱えられた場合は、労使紛争が発生する可能性もあります。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

普通解雇以外の解雇との違い

普通解雇以外の解雇の種類としては、先に挙げた「整理解雇」の他に「懲戒解雇」と「諭旨解雇」があり、それぞれに要件や効果が異なります。

普通解雇と整理解雇の違いは?

整理解雇は、経営上の都合により、労働者の数を調整するために行われる解雇で、いわゆる「リストラ」のことです。整理解雇は、労働者の責によらない会社都合の解雇であるため、普通解雇よりも厳格な要件や手続きが求められます

また、解雇の対象となる労働者の選定も、普通解雇が本人の能力や勤務態度が主な理由となるのに対して、整理解雇の場合は組織の必要性や本人の経済状況などが主な基準となります。

普通解雇と懲戒解雇の違いは?

「懲戒解雇」は、労働者が重大な違法行為や規律違反を犯した場合に、懲戒処分として課される解雇です。懲戒解雇は、最も重い懲戒処分であり、対象となる事由について就業規則等に明記されていることが必要です。

また、懲戒解雇の対象となる行為について、会社側で事実調査や証拠の収集を行い、処分決定後も本人に弁明の機会を与える必要があるなど、普通解雇よりも厳格な手続きを踏むことになります。

懲戒解雇は解雇予告期間を設けず、即時解雇となるケースが多いのも大きな特徴と言えます。ただし、即時解雇でかつ解雇予告手当の支払いも行わない場合には、あらかじめ労働基準監督署の除外認定を受けておく必要があります。

普通解雇と諭旨解雇の違いは?

「諭旨解雇」は、懲戒解雇に該当する事由があるものの、それまでの功績や本人の反省度合いなどを酌量して、処分をやや軽くした解雇です。具体的には、労働者に対して退職勧奨を行い、これに従わない場合は懲戒解雇に進むという流れになります。

普通解雇と異なり、懲戒処分の一つであるため、懲戒解雇と同じく対象となる事由について、就業規則への明記が必要で、弁明の機会の付与などの手続きも求められます。

なお、退職金の規定がある場合、一般的には懲戒解雇が不支給あるいは大幅減額となるのに対して、諭旨解雇の場合は満額支給あるいは減額の幅が小さいという会社が、多く見られます。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

普通解雇を行うための4つの要件

普通解雇を行うには、主に以下の要件を満たしている必要があります。一つでも欠けていると不当解雇とされる可能性が高くなるため注意しましょう。

  • 就業規則等に規定があること
  • 解雇制限に該当しないこと
  • 正当な解雇理由があること
  • 解雇予告期間を設けるまたは解雇予告手当を支払うこと

就業規則等に規定があること

普通解雇を行うには、就業規則等に解雇の対象となる理由や解雇手続きについて、明記されていなければなりません。規定の内容は、所定の方式に従って社内の従業員に周知しておく必要があります。

また、雇用契約締結時にも、労働時間や賃金等とともに解雇の事由を含む退職に関する事項を、労働者に対して書面で明示する必要があります。

解雇制限に該当しないこと

労働基準法には、以下の解雇制限が規定されており、この期間内は原則的に解雇できません

  • 業務上の傷病のために休業する期間とその後30日間
  • 女性従業員の産前産後休業期間とその後30日間

また、妊娠・出産や育児休業、介護休業を契機とした解雇も禁じられているため、これらの解雇制限事由に該当していないかの確認が必要です。

正当な解雇理由があること

普通解雇を行うには、労働契約の履行不可や重大な規律違反など、正当な理由が必要です。労働者の業務遂行能力不足や職場規律を乱す行為のほか、本来は懲戒解雇に該当するような事由であっても、就業規則に懲戒解雇についての規定がない場合は、普通解雇で処理することになります。

解雇予告期間を設けるまたは解雇予告手当を支払うこと

解雇には原則的に予告期間を設ける必要があり、解雇日の30日前までに本人に対して解雇予告を行わなくてはなりません。ただし、解雇予告に代えてあるいは併用する形で解雇予告手当の支払いも認められています。

具体的には、即時解雇する場合は30日分の解雇予告手当を支払い、たとえば解雇日の14日前に予告を行った場合は、不足する16日分の解雇予告手当を支払う必要があります。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

普通解雇の手続きの流れ

普通解雇の手続きは、一般的に以下の流れに沿って進めます。

  1. 解雇方針の決定
  2. 解雇理由の整理
  3. 解雇の通知
  4. 退職手続き

解雇方針の決定

解雇を決定するにあたっては、以下のような事項について検討が必要です。

  • 労働者の業績や行動が、解雇に該当する程度に極端に悪いか
  • 解雇を行わない場合、他の従業員や会社全体にどのような悪影響を与えるか
  • 解雇以前に適切な指導や措置を取ったか、また改善は見られなかったか

解雇理由の整理

普通解雇を適切に行うためには、具体的で明確な解雇理由が必要です。不適切な行動や規則違反など、解雇の根拠となる具体的な事例を特定します。

解雇理由が勤怠不良や社内迷惑行為などであれば、関係者からヒアリングを行い、具体的な証拠を収集・保管します

解雇の通知

解雇通知は、口頭で行っても違法というわけではありませんが、一般的にはトラブル防止のために「解雇通知書」を交付して行います。解雇通知書には、解雇日と解雇理由を明記する必要があります。

この解雇通知書の交付をもって解雇予告とみなされるため、解雇予告手当を支払う場合以外は、解雇日の30日前までに本人に交付しなくてはなりません。

退職手続き

解雇日が確定すれば、退職に向けた手続きに入ります。基本的には自主退職の場合の退職手続きと同じ流れで進めることになりますが、解雇の場合は本人が書類の提出や貸与物の返還などの手続きに非協力的になる恐れもあるため、丁寧な説明と余裕を持った準備が重要です。

勤怠管理システムの検討でお困りのあなたへ
・システム検討時に注意すべき点を整理したい
・システムにより効率化できる点を整理したい
・システムの運用で注意すべき点を整理したい


勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。

普通解雇のリスクと対策

普通解雇は、理由が曖昧であったり手続きが不適切であったりすると、「不当解雇」という主張がなされるリスクがあります。また、正当な理由に基づく解雇であっても、労働者との信頼関係は損なわれるため、できる限り解雇によらない解決方法も模索すべきです。

不当解雇の可能性を考慮する

労働基準法などに定める解雇制限事由に該当していないことは当然ながら、会社側が「十分な解雇理由に足る」と判断しても、訴訟に発展した場合に「不当解雇」という判決が下される可能性もあります。

正当な解雇理由を示し、適正な手続きに則って進めてもなお、対象労働者が争う姿勢を見せる場合は、無理やり解雇に踏み切るのではなく、あらかじめ労使紛争に明るい法律専門職に相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。

普通解雇に代わる手段を検討する

普通解雇はあくまでも最終手段であると捉え、解雇に代わる手段がないかという検討は必要でしょう。整理解雇の場合は、要件として「解雇回避努力」が求められますが、普通解雇であっても相応の努力は必要といえます。

具体的には、解雇理由が「能力不足」であれば、再教育プログラムの構築や配置転換が考えられます。また、「勤怠不良」が理由であれば、就業規則に規定する「戒告」や「譴責」などの比較的軽い懲戒処分を科して、改善を促すという手段も有効です。

普通解雇はリスク管理が重要

普通解雇は従業員の身分を一方的に失わせる行為であるため、相当のリスクが潜んでいます。まずは、解雇自体に必要性や正当性があるのかを慎重に検討し、場合によっては解雇に代わる手段を選択することも必要です。

そのうえで、解雇が必要であると判断した場合でも、労使トラブルを最小限に抑えるために、社内調査や法律専門職との連携もしっかり行いましょう。これらの対策を総合的に実施することで、普通解雇に伴うリスクを軽減し、円満な人事労務を実現することができます。

また、日常の労務管理をスムーズに行うには勤怠管理システムの導入が不可欠です。勤怠管理システムの選定・比較ナビは、多くの勤怠管理システムから自社にマッチした最適なシステムを見つけ出せるサイトです。

勤怠管理システムでお困りのあなたへ
・今よりも良い勤怠管理システムがあるか知りたい
・どのシステムが自社に合っているか確認したい
・システムの比較検討を効率的に進めたい

勤怠管理システムを見直したい方は、ヨウケンをご活用ください。無料でご利用できます。