ウィズコロナ・ポストコロナの新たな日常、新しい生活様式に対応するため、急速に広がりを見せるテレワーク。政府からの出勤率の削減などの要請を受けて、慌ててテレワークを導入したものの「勤怠管理や人事評価がうまくいっていない」とお悩みの企業も多いのではないでしょうか。

そんな企業や労働者の声を受けて、厚生労働省はすでに公表している『テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン』を改定しました。本記事では、令和3年3月に改定されたポイントを解説します。

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ガイドライン改定のポイント

令和3年3月のガイドライン改定では、労働者が安心して働くことができるテレワークを推進するために、注意すべき点や望ましい取り組みが具体的に追加されました。主なポイントは次の通りです。

  • 労務管理に関する記載の追加(人事評価、費用負担、人材育成など)
  • 正規・非正規といった雇用形態の違いを理由として、テレワークから除外しない
  • 導入にあたり書類のペーパーレス化が望ましい
  • テレワークの労働時間の把握について、原則的な方法を追記(パソコンの使用時間記録など客観的な方法を推奨、自己申告の場合の注意点など)
  • ワークライフバランスの実現のため、時間外・休日・所定外深夜労働の取り扱いについて記載
  • メンタルヘルス対策や作業環境の整備を確認できるチェックリストを作成

それでは、具体的に追加された注意点や望ましい取り組みをご紹介します。

テレワーク導入の注意点の追加項目

テレワークの推進にあたって

テレワークを制度として導入し、実施するにあたっては、導入目的、対象業務、申請などの手続き、費用負担などについて、あらかじめ労使で十分に話し合い、ルールを決めておくことが重要。

テレワークの対象業務

テレワークが難しいと考えられる業種・職種であっても、テレワークができないと安易に結論づけないこと。管理者側の意識を変えることや、業務遂行の方法の見直しを検討することが望ましい。

テレワークの対象者

■正規雇用・非正規雇用といった雇用形態の違いのみを理由として、テレワークから除外することがないよう注意する。

■在宅勤務が困難な労働者について、サテライトオフィスやモバイル勤務を利用することも検討する。

■新入社員、中途入社、異動直後の労働者は、コミュニケーションの円滑化に特に配慮することが望ましい。

導入にあたって望ましい取り組み

■既存の業務の見直し/押印や署名の廃止、ペーパーレス化などが有効。

■円滑なコミュニケーション/企業や労働者の状況に応じたコミュニケーション促進。

■グループ企業単位での実施の検討/企業のトップや経営層がテレワークの方針を示すなど、企業全体として取り組むこと。

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労務管理上の注意点

テレワークにおける人事評価制度

■部下に求める内容や水準をあらかじめ具体的に示しておく

■評価者に対する訓練の機会を設けるなどの工夫をする

■時間外、休日、深夜のメールなどに対応しなかったことを理由として、不利益な人事評価を行なわないこと

テレワークの人材育成

各労働者が自律して業務を進められるように、仕事の進め方を社内教育すること。あわせて、管理者による適切な業務指示などのマネジメントが重要。

テレワークの費用負担の取り扱い

テレワークによって労働者に過度の費用負担が生じることは望ましくない。通信機器や作業用品などを、企業と労働者のどちらがどのように負担するのかをあらかじめ労使で話し合い、企業ごとのルールを定めることが望ましい。

具体的には、会社が負担する場合の限度額、従業員が会社に請求する場合の請求方法などを、就業規則に規定すること。

テレワークにおける労働時間管理の工夫

テレワークの労働時間管理の方法をあらかじめ明確にしておくこと。例えば、通信技術を活用して労働時間管理を円滑に行なうことも有効。

テレワークの労働時間の把握

■客観的な記録による把握/パソコンの使用時間の記録など、客観的な記録により、労働時間を把握すること。サテライトオフィスへの入退場記録などで労働時間を把握すること。

■労働者の自己申告による把握/労働者の自己申告と実態の労働時間に乖離がある場合は、補正すること。自己申告できる時間外労働の上限を設けるなど、労働者の申告を阻害してはならないこと。

テレワーク特有の事象の取り扱い

■中抜け時間/企業は中抜け時間を把握しても、把握せずに始業および終業時刻のみを把握してもどちらでも良い。

■時間外、休日労働の労働時間管理/時間外・休日労働をさせるには、三六協定の締結、届出や割増賃金の支払いが必要。深夜に労働させる場合には、深夜労働の割増賃金の支払いが必要である。

テレワークにおける安全衛生の確保

安全衛生関係法令の適用

自宅においてテレワークを実施する場合も、企業は労働安全衛生法に基づき、労働者の安全と健康の確保のための措置を講じること。

自宅などでテレワークを行なう際の作業環境の注意点

自宅などでテレワークを行なう際は、作業環境チェックリストを活用することを推奨。作業環境の状況報告を求め、必要な場合には労使が協力して改善を図ること。または、サテライトオフィスの活用を検討することが重要。

※チェックリストはこちら(下記リンク/18ページ別紙1を参照)

 厚生労働省『 テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン』

テレワークにおける労働災害の補償

■事業主の支配下でテレワーク中に起こった災害は、業務上の災害として労災保険給付の対象となる。

■情報通信機器の使用状況など、客観的な記録や労働者から申告された時間の記録を適切に保存する。労働者が負傷した災害発生状況を、使用者や医療機関が正確に把握できるように、状況などを記録しておくこと。

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テレワークのハラスメント対応

オフィスに出勤する働き方と同様、ハラスメントの防止対策を十分に講じる必要がある。

テレワークのセキュリティ対応

『テレワークセキュリティガイドライン』を活用した対策の実施や、労働者への教育を行なうことが望ましい。

まとめ

今回は、厚生労働省が公開しているテレワークのガイドラインの改定内容について、ポイントを解説しました。

新しい生活様式として、多くの企業が積極的に導入するテレワーク。これから新しくテレワークを導入する企業はもちろん、すでにテレワークを導入して、労務管理や労災などの対応で悩んでいる企業や労働者の方にとっても、役に立つ内容です。

ぜひ一度、テレワークのガイドラインをご一読いただき、適切なテレワークの運用の参考にしてみてはいかがでしょうか。

※参考サイト:『テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン』

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