勤務カレンダーを組む際、年間休日をどれだけ設けるのかといったことについて、悩まれている方も多いかと思います。最新の調査では、企業あたりの平均年間休日数は約110日となっていますが、これは業態や従業員規模によっても大きく異なってきます。

年間休日の最低ラインについて法的な決まりはあるのでしょうか?また、週休2日制と完全週休2日制では、年間休日はどう違ってくるのでしょうか?

この記事では、事業主や管理者の方からよく寄せられる、年間休日に関する疑問についてわかりやすく解説します。

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年間休日に決まりはある?

年間休日とは、会社が就業規則や勤務カレンダーなどで、週休日及び年間を通じて休日と定めた祝日や夏季休暇などを指します。

年間休日数については、直接法律で規定されたものはありませんが、所定労働時間により確保すべき休日数の基準は存在します。

たとえば完全週休2日制の場合、1日8時間・週40時間の法定労働時間を遵守するためには、約260日が労働日数の上限となります。

365日 ÷ 7日 × 40時間(週の法定労働時間)÷ 8時間(1日の法定労働時間)= 260.71

1年の暦日数からこの労働日数の上限を差し引いた「104日もしくは105日」が年間休日数の最低基準という結果になります。

近年は「働きやすさ」や「仕事とプライベートの両立」を求める労働者は多く、ほとんどの企業が105日を超える年間休日を設定しています。

企業平均は約110日

厚生労働省の資料「令和3年就労条件総合調査の概況」によると、国内企業の年間休日数の平均は1企業あたり110.5日、1労働者あたり116.1日です

祝日は年間16日存在しますが、年間休日が110日以下の企業の場合、祝日を出勤扱いとしていると考えるのが自然でしょう。傾向としては、従業員規模が大きいほど年間休日数も多くなるようです。

価値観の多様化に伴い、ワークライフバランスの充実を就職先に求める学生やビジネスマンは少なくありません。年間休日の多い企業は「働きやすい企業」との印象を持たれやすく、入社希望者も多くなります。

法定休日と所定休日

法定休日は、労働基準法によって必ず付与しなければならないと定められている休日です。週に1日の付与が原則で、例外的に4週を通じて4日の付与も認められます。

法定休日を何曜日にするのかは、会社ごとに任意に定められますが、日曜日としている会社が多いようです。

法定休日に従業員へ労働を命じた場合は休日労働として扱われるため、基礎賃金×35%以上のの休日割増賃金を支払わなくてはなりません

一方、所定休日は法定休日とは別に会社が独自に定める休日です。所定休日に労働を命じたとしても休日割増賃金は不要ですが、所定休日の労働したことで週の法定労働時間を超過した場合は、25%以上の時間外割増賃金が必要です。

1日の所定労働時間が8時間の場合、週5日の勤務で週の法定労働時間40時間に達するため、法定休日とは別に所定休日を設けているのが一般的です。

祝日は休日にすべき?

祝日を休日と扱うかどうかは企業の判断に委ねられています。祝日は「国民の祝日に関する法律」に定められた日ですが、労働基準法は祝日に関して何も言及していません。

一般的には休日としている会社が多いですが、法定休日が確保されている限りは、祝日を労働日としてもまったく問題ありません。

有給休暇は年間休日に含む?

年次有給休暇(以下「有休」)は、年間休日には含めません。有休は、継続勤務年数や所定労働日数によって付与日数が異なり、また年間の取得数も各従業員ごとに異なるため、画一的に扱うことが出来ないのです。

また、産前産後休業や育児休業などの法定休暇、リフレッシュ休暇や慶弔休暇などの特別休暇(法定外休暇)も、同様の理由で年間休日には含めません。ただし、夏季休暇や年末年始休暇などの全従業員に対して一律に適用される特別休暇は、年間休日に含めても問題ありません。

なお、有休の計画的付与(計画年休)を採用している場合も、年間休日に含めても問題ないように思えますが、計画年休はあくまでも本来の労働日の労働を免除された日であるため、休日としてカウントするのは適当ではありません。

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週休2日制と完全週休2日制の違い

両者は、法律的に定義されている言葉ではありませんが、慣習的に使い分けされており、特に求人募集や会社説明会の際は、求職者に誤解を与えないよう注意する必要があります。

週休2日制とは

「週休2日制」は、月内に少なくとも1週は、2日間の休日があることを指します。よって、月に1週のみ2日休み、隔週で2日休み、などさまざまなパターンが存在します。

飲食店・美容院・アパレル店など、定休日が少ないサービス業界で多く導入されている制度です。週の法定労働時間を超過しないよう、シフトにより1日の所定労働時間は短めに設定されることが多いです。

顧客からの急な要望にも対応できる、多くの業務を処理できるなどのメリットがある半面、従業員にとっては、プライベートな時間や休息が十分に取れず、仕事へのモチベーションや業務効率が低下する可能性もあります。

完全週休2日制とは

「完全週休2日制」は、週休2日制の中でも、必ず週2日の休日が保証されている制度を指します。一般的には土日を休日とする会社が多いですが、もちろん土日である必要はなく、シフトにより週2日の休日が確保されていれば、完全週休2日制と言えます。

祝日が含まれる週は、法定休日+祝日で2日休日とするパターンと、元々の法定休日+所定休日に加えて祝日も休日とするパターンがあります。

なお、求人情報を掲載する際は、前者のパターンは「完全週休2日制(土、日、祝)」、後者のパターンは「完全週休2日制(土、日)、祝日」と記載します。

また、求人の際だけでなく、採用が決まったあとの個別の労働条件の明示の際にも、誤解のないように改めて説明しておきましょう。

完全週休2日制は、安定した休みが見込めるため、求職者に「働きやすい企業」と印象付けられ、求人増加も期待できる半面、週休2日制よりも処理できる業務量は少なくなります。

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1年単位の変形労働時間制における年間休日数

1年単位の変形労働時間制を採用している場合、対象期間を通じて週平均の労働時間を40時間以内にする必要があるため、必要な年間休日数は以下のように計算します。

(1日の所定労働時間 × 7 – 40) ÷ (1日の所定労働時間 × 7) × 対象期間の暦日数
※端数切り上げ

この式で計算した場合、1日の所定労働時間が7時間の事業場の場合、必要年間休日数は68日となります。ところが、対象期間が3ヶ月を超える場合は、1年あたりの労働日数の上限は280日(1年未満の場合は「280 × 対象期間の暦日数 ÷ 365」)と定められています

よって、対象期間が1年の場合は最低85日の休日を確保しなければならないため、所定労働時間が7時間の場合は原則の式で算出される68日ではなく、85日が最低休日数となります。

フレックスタイム制における年間休日数

フレックスタイム制は、始業及び終業時間を労働者に委ねる制度ですが、労働日・休日の選択まで委ねる制度ではありません。よって、法定休日や年間休日数の取り扱いも、通常の労働時間制と同じ扱いとなります。

なお、暦の関係で清算期間(フレックスタイムの対象期間)内の休日数が多くなり、所定労働時間どおりに勤務実績があるにもかかわらず、設定された総労働時間を下回ってしまうケースがあります。この場合は、以下の2通りの対応を取ることになります。

  1. 不足分の当月の賃金から控除する
  2. 賃金控除はせず、不足分の時間を翌月の労働時間に繰り越す(ただし、法定労働時間の総枠の範囲内)

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勤怠管理システムで年間休日の管理が楽に

年間休日は、法律で日数が規定されているものではありません。しかし、週の所定労働時間や勤務形態から最低年間休日数を導き出し、適切に設定することが重要です。勤怠管理システムを導入すると、年間休日数の算出を効率的に進められます。

勤怠管理システムは、労働時間・時間外労働・休日労働の時間数など、各種データを自動で集計できます。労務担当者が作業をおこなう必要はありません。有給休暇の取得状況も把握できるため、コンプライアンス違反を避けられます。

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